No. 059:結果論【報い】

切な系100のお題

念願の、授かった息子だった。
妻がその命を犠牲にしてでも
生きてもらいたいと願った子だった。
彼女の思いが名前に残され、
彼もその思いに答えて
懸命に生きただけだった。

彼の願いは、常に「誰かの為」で
自分に向く事は無い。
それが余りに不憫で、悲しかった。

心優しき息子の命を奪った生命体に
生きる意味など必要無かろう。
だからこそ、制裁を行った。
それだけの事だ。

私は、自分がどうなろうと構わない。
妻が去り、息子が去ったその時点で
私は自分に人生を捨てたのだから。
当然の報いだろう。

我が最大の過ちは…
息子の心に逆らった事だけだ。
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