【土】 001. 血

乾いた心に染み渡る。
戦いの後、疲れ切った魂に
現実を呼び戻させるのは
血の臭い。

逃げられない事実を
その時に突き付けられて
漸く「今」を認識する。

戦いを日常にするもんじゃない。
そんな日常、有ってはいけない。
言うのは簡単。
しかし、出来ないのが人間。

浅ましい生命体。
だが、生まれた以上は生きるしか無い。
人間として。
この自分の体に流れる「血」が
その事実を突き付けて来る以上。