【金】 004:ブリキの木こり

陰陽五行50題

小さな町の片隅で展開されている露天。
キリークは目を大きく見開いて
何かをジッと凝視している。

「どうしたんだ、キリーク?」
「これ…何だ?」
「これ…?」

彼が指差す先には
ブリキ製の玩具が置かれている。

「これは…木こりの玩具だな」
「へぇ……」

珍しいんだろう。
どうやらキリークは
その場から離れたがらない様子だった。

玩具一つ購入した所で
別に荷物にはならないだろう。

「どれが良い?」
「…え?」
「買ってやるよ」
「俺に?」
「あぁ」
「有難う、アーク!」

気に入った木こりの人形を優しく抱き締め
キリークは微笑を浮かべていた。
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