| Act・10-4 |
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「え? 通れないの、此処?」 「そんな急に言われても困るよ!」 「どう云う事なの、刑事さん?!」 検問で足止めされたドライバー達は 口々に交通課の刑事達に不満をぶつけている。 幾ら罵られようとも 上からの命令は絶対である。 『青梅埠頭4丁目付近の立ち入り禁止』 通達された以上、それは厳命である。 ネズミ一匹、通す訳にはいかない。 たとえ、その先に何が有るのかを 知る事が無かったとしても。 「やっと会えたな」 潮風が頬に触れる。 鳩村はサングラスを外し、 目の前の人物を静かに見つめた。 「随分捜したぜ、ジョー」 「あぁ。なかなか楽しかったろ?」 「笑えないJOKEだ」 「ふっ…。確かにな」 肩の力が抜けたのだろうか。 北条の表情は窶れているにも関わらず 随分とスッキリしている様にも見えた。 「俺もアンタも、過去を背負い過ぎた」 北条は笑っている。 「過去は清算しなければならない」 「ジョー?」 「俺達自身の手で」 北条の目の色が不意に変わった。 その手には改めてS&W M39が握られる。 「覚悟は出来ているんだろう? 清算しよう」 「…どうしてもか、ジョー?」 「あぁ。…『一発で仕留める』」 「!!」 北条の今の一言に、鳩村は鋭く反応した。 そして彼も又、 愛用のコルト・パイソンの4インチPPCカスタムを構えた。 「始めようか」 2人は銃を構え、対峙した。 時間が止まったかの様な静寂。 その瞬間、二人は何を思い 考えていたのか。 それは誰にも分からない事だった。 「警察だ! 神妙にお縄を頂戴しろぃ!!」 山県の怒号が部屋中に響き渡る。 その場に居た男達が険しい表情で 乗り込んで来た山県を睨み付けた。 「おぅ、西部署の刑事さんよ。 令状はちゃんと持ってんだろうな?」 「令状が無きゃ不当逮捕っすよ〜。 解ってんですかねぇ〜?」 その直後、山県の後ろから 一筋の影がさっと動いた。 そして一人の男の顔に 一枚の紙を乱暴に押し付ける。 「西部署だけじゃないんだよ、 この件で令状持ってんのはな!」 「何だ、このチビ?」 「誰がチビだっ?!」 「あ〜ぁ、命知らずだねぇ〜。 DJにその一言は禁句だっての」 喜多は笑いながら、DJこと太宰の乱闘を眺めている。 余裕があるというよりも他人事の様なその態度に 山県は半ば呆れ顔であった。 「こっちの現場は抑えた。 後は平尾刑事と立花刑事に期待しよう」 「アイツ等なら大丈夫だって」 山県の返答に喜多は満足そうに頷いた。 |