何時からこうなってしまったのだろう?
自身をどれだけ呪えば
この地獄から這い上がれるんだろう?
見えない。
目の前が真っ暗闇で。
抜け道さえも、光でさえ見えない。
囚われている。
いつまでも、ずっと。
多分、死ぬ迄。
逃げられない。
逃げる事も許されない。
抑えていても声が漏れる。
息が荒くなっていく。
体温も、鼓動も、
感じられるものがどれも
ボルテージが上がり過ぎて
メーターを振り切ってしまいそうだ。
汚らわしい。
自分で自分をそう罵る。
俺は何時から…
そう、何時から古代を
『そんな目で』見ていたのか?
これは許されない事だ。
決して許されない事だ。
断罪されるべき事だ。
俺の取って唯一の光。
それを自らの手で汚してしまえば
救いの手が現れる筈など無い。
目の前に垂らされた蜘蛛の糸を
俺は愚かにも引き千切ってしまったのだ。
後は堕ちるしかない。
何処迄も、地獄の、暗黒の闇の奥深く迄…。
「こ…だぃ……」
自分の掠れた声が耳につく。
ふと、安堵の笑みを洩らし
俺はグッと拳に力を篭めた。
「う…うぅ……」
後には何も無い。
荒い息と、汗と、特有の体臭。
明かりも灯さない暗い密室で
それだけが俺の全てだった。
* * * * * *
島が、俺を…?
そんな風に思われていたなんて
俺は微塵も感じていなかった。
当たり障り無く、良き親友として
好敵手として、彼奴は存在していた。
だけど島の本心は…。
「俺……」
気付かなかった。
気付こうともしていなかった。
島はずっと苦しんでいるのに。
一人で苦しんで、苦しんで…。
だけど俺にはどうする事も出来ない。
だって、どうすれば良いんだ?
どうすれば島を救える?
どうすれば島を守れる?
俺に何が出来る?
カタンと音がして、
シャワールーム内の灯が灯る。
拙い、島が出て来る。
こんな状態を見られたりしたら…。
俺は足音を立てない様に気を付けながら
素早くベッドに忍び込み
何事も無かったかの様に
狸寝入りをして様子を伺った。
満足げな様子は何処にも無い。
島は一層背徳感に満ちた表情を浮かべ
ダルそうに此方に向かって来る。
まるで【責め苦】だと思った。
島は自分で自分を苦しめているだけ。
『島……』
そのままベッドに入り、眠ろうとするが
こんな状態で眠れるのだろうか。
島の奴、今迄もずっとこんな事を…?
『俺がもう少し、強くあれば…』
何度と無く、そう思った。
だがその度に脳裏に過ぎるのは
あの人の表情。そして…。
『…っ!!』
俺は弱い。
つくづく、そう痛感した。 |