あの瞬間。
貴方は既に覚悟を決めているようだった。
このままじゃグレイを道連れにしてしまうから、と。
何時からだろう…?
こんなにも貴方の事を想うようになったのは。
グレイの姿を重ねていたはずなのに
いつの間にか、貴方の存在の方が大きくなっていった。
貴方と離ればなれになるのが嫌で
私は泣いて縋ってしまった。
「仕方がない事」だなんて、割り切りたくない。
貴方の居ない世界を…一人で生きていたくはなかった。
ふふ…おかしいわよね。
時代が時代なら、私は貴方の事を知らずに生きていたでしょう。
貴方がどんなにこの世界を想っているか、
どんな風に守っているかなんて
私には想像も付かなかったでしょう…。
知ってしまった以上、後には引けないけど。
でも、「俗っぽい」と思われても良い。
私は「運命」なんかに貴方を奪われたくはなかったの。
あの滑稽なキューピットさん達に感謝しないといけないわね。
そして…私達の幸せを願って去っていったグレイにも。
まだ世界は安定の域に達していないけど。
どうしても貴方に伝えたい言葉があるの…。
聞いてくれる……?
良かった!
どうしても、貴方に言わなければならない言葉なの。
笑わないで、聞いてね。
…お帰りなさい、スレイン。 |