【土】 006. epitaph

陰陽五行50題

無人仏の石碑だろうか。
砂漠化した荒野に佇む石の柱。
其処に微かにだが確認出来る存在。

文字、だ。

故人の名を刻んでいるのか。
それとも、故人を偲んで
詩を刻んでいるのか。

「こんな状態に晒されて
それでもこれだけ維持してきたとは。
余程この文言に思いが篭められている証拠だな」

タラークはしきりにそう呟いて感心していた。

「古代人はこれらを
エピタフと呼んでいたらしいな」
「エピタフ?」
「墓碑銘、とも言う」
「ふ~ん…」

ウーンも又、感慨深く呟いていた。
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