無人仏の石碑だろうか。
砂漠化した荒野に佇む石の柱。
其処に微かにだが確認出来る存在。
文字、だ。
故人の名を刻んでいるのか。
それとも、故人を偲んで
詩を刻んでいるのか。
「こんな状態に晒されて
それでもこれだけ維持してきたとは。
余程この文言に思いが篭められている証拠だな」
タラークはしきりにそう呟いて感心していた。
「古代人はこれらを
エピタフと呼んでいたらしいな」
「エピタフ?」
「墓碑銘、とも言う」
「ふ~ん…」
ウーンも又、感慨深く呟いていた。