No. 058:写真

あぶない刑事好きに100のお題

書類に紛れていた一枚の写真。
ハラリと床に落ちて、目に留まる。
何気なく手にしたその一枚は
少し色がくすんでいた。

自分が知らない誰かの記憶の一部。
覗き見したみたいで心が痛い。
裏返しにし、持ち主の机へと
気付かれない様にそっと隠した。

気拙い思いを抱えたまま
何も知らない当人と挨拶を交わす。

あの写真の続きに
今の貴方の笑顔が有るって事なのかな。
そう、信じたくなったんだ。
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