| File.6-2 |
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アイシァの献身的な介護の効果も有り 古代は少しずつ体力を回復させていった。 流石は現役の宇宙戦士らしく 驚異のスピードである。 「何時までも倒れてなんかいられないからな」 そう言って笑う古代の心には或る思いが有った。 自分を撃ったあの少年に会いたい。 会って話がしたい。 彼の真意が知りたかった。 「俺は…この戦争を終わらせたい。 本当の意味に於いて。 憎しみと悲しみの連鎖を 今度こそ断ち切りたいんだ」 古代のこの言葉にアイシァは大きく頷いた。 「兄様は私たちガミラス星人と地球人を繋ぐ 懸け橋となるべくお生まれになられたのですね…」 「そんな大それた存在じゃないよ」 「でも…」 「争いを止めるって言うのは簡単な事だ。 俺はデスラーを見ていて それが如何に困難な事なのかを知った」 「兄様…」 「しかしデスラーは諦めちゃいない。 彼奴は本当にガミラスの民の幸せの為に 孤独な戦いを続けている。 ならば…地球人にも そう云う奴が一人位居たって良いよな」 古代は笑顔を浮かべている。 「此処に来て、色んな人と出会って… 俺は少しだけ【世界】を知る事が出来た。 切っ掛けを与えてくれたのは… アイシァ、君だよ」 「私が…?」 「あぁ、君だ。 それ迄の俺はガミラス星人を 【兵士】しか知らなかった。 民間人の君から見た世界。 それを知らずにいた…。 …俺も地球の軍人だったから 当然なのかも知れないが」 古代は視線を漆黒の宇宙空間へと向けた。 「現実と向き合う強さが 世界を変える【力】となる。 俺は此処でそう学んだ。 だからこそ、今ならば言える。 絶対にこの悲しみの連鎖を 断ち切って見せると」 「兄様…。 私にも出来る事が有れば 何なりと仰ってくださいね」 「アイシァ…」 「兄様は決して御一人ではありません。 いつだって私が居ます。 きっと…兄様の御心が あの少年にも伝わる事でしょう。 私はそう信じています」 「そうだな。先ずは信じる事だ。 相手を…未来を……」 「はい…」 アイシァも又、力強く頷いた。 彼女は古代を信じている。 信じているからこそ、返せた言葉。 古代にとっては 何よりも励みになる言葉だった。 『大介。聞こえるか? 俺は生きている。この場所で。 この宇宙で確かに、俺は生きているよ。 そして見付けたんだ。俺の戦場を。 俺は必ず、この鎖を断ち切ってみせる。 だが…俺一人では到底敵わない敵だ。 必要なんだ。 今こそ、お前の力が…。大介……』 |