| [57] 大門暗殺・3 |
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それと前後して、 大門は昼食を妹、明子ととっていた時 不意に何者かに襲われた。 見知らぬサラリーマン風の二人組。 その一人を追い駆けたのだが… 男は爆死してしまった。 一体何故。 その理由が解らなかった。 生き残った男を事情聴取しても 「何も覚えていない」 その一点張りだった。 どんなに脅しても、宥めても。 自分は「大門」の存在さえ知らないと言う。 嫌な予感がずっと頭から離れない。 あの時。 意地を張って情報屋を突っ撥ねた。 だが…。 彼は『何か』を掴んだのだ。 それが知りたい。 北条は懸命に情報屋の足取りを追った。 北条の消息はその後プッツリと途切れた。 情報屋が殺され、 彼は血塗れの手錠を残し 姿を晦ませたのだ。 或いは拉致か。 咲樹は嫌な予感が的中したと 頭を抱え込んでしまった。 「咲樹ちゃん…」 心配そうに平尾が声をかける。 「こんな事なら…」 どれだけ罵倒されても 自分が止めるべきだった。 解っていた筈だった。 彼の性格も、行動パターンも。 なら何故動けなかったのか? 「…怠慢だわ、私の」 油断では済まない。 歯噛みをし、咲樹は現場を飛び出す。 その腕を誰かが取った。 「…ハト」 「冷静になれ、咲樹。 それが今のお前に必要な事だ。 ジョーの二の舞いは踏ませないぞ」 「…でも」 「焦っても仕方が無い。 団長の指示を仰ごうぜ」 「そうね…」 沖田はそんな咲樹を不思議そうに見ていた。 似ている。 北条と咲樹は。 どうしてこんなにも似ているのだろうか。 彼女の言葉が 急に胸に突き刺さる。 北条の事を知るからこそ 咲樹はそう言えたのだろう。 只の同情ではない。 もっと深い、感情。 「彼女が…」 沖田は何かを悟ったようだった。 咲樹のこの態度も 当然だとさえ思った。 「ジョーの奴… 何処行っちまったんだ…」 残された手錠を手にし、 沖田はそう呟いた。 北条の捜索に何日か費やしたものの 彼の姿は依然として掴めないままだった。 沖田は別口から北条を追うと言う。 大門は沖田の意見を尊重し、 彼だけ別行動を執らせた。 「人一人捜すってのに この街は広過ぎるな…」 「人も多過ぎるのよ」 「カリカリきてるな、姫?」 「…御免。ハトに当たってる訳じゃないの」 「受け止めてやるぜ。 俺でよければ当たれよ。 無理はお肌に良くないぜ?」 「ふふ…。 ハトは紳士よね」 咲樹は微笑を浮かべた。 どこか寂しげな。 『ジョーじゃないと駄目なんだな…』 鳩村も解っている。 だが、それを確認する度に 心が激しく痛んだ。 |