| Glad Eye Act.1 |
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それはふとした事が切っ掛けだった。 バーのカウンターで一人カクテルを嗜む女。 その横顔が気に入った。 「?」 バーテンが女にカクテルを差し出す。 「アチラ様からです」 女は指された方向に目をやる。 其処には少しめかし込んだ男が座っていた。 クールだが親しみの有る笑み。 女は男に興味を示し、席を移した。 「よばれるわ、色男さん」 グラスを重ね、女は微笑んだ。 カクテルに負けない、甘い甘い夜。 2人はそんな夜のひと時を楽しんだ。 「機嫌良いねぇ、ハトさん。 どうしたの?」 すかさず平尾が探りを入れる。 「どうせ良い女とでも会ったんだろ?」 「オキ、正解」 鳩村はそう言うとおどけて見せた。 「いつもの悪い病気かぁ〜」 「ガキは黙ってろ、ジョー」 「誰が『ガキ』っすかっ?!」 食って掛かろうとする北条を平尾が止める。 「で、どんな女?」 「う〜ん、秘密を抱いた感じ…かな?」 「大人の女か。良いねぇ」 「オキさんまで…」 北条は平尾に押さえつけられたまま 呆れて溜息を吐く。 「お子様は黙ってな」 「だから誰が…っ?!」 「暴れるな、ジョーっ!!」 刑事部屋は平和なものだ。 その平穏を一本の電話が揉み消した。 「はい、西部署…」 素早く電話に出た浜が状況を備に記憶する。 「大さん、射殺事件です」 「現場は?」 「えっと…」 浜は電話の内容を全員に報告する。 「直ぐに現場に急行してくれ」 刑事達は頷くと足早に部屋を後にした。 「ライフルで一発か…」 標的を寸分の狂い無く打ち抜いた弾丸。 「ホシは相当の腕前だな」 「それにしても仏さんが外務省関係者とは なんともややこしいヤマになりそうだな」 浜は腕組みをし、唸っている。 「あのビルから狙ったみたいですね」 沖田が肉眼で射撃位置を見つめてみる。 逆光で少々見難いが 確かに絶好の位置かも知れない。 「それにしても一撃とは…」 「犯行声明も無しですよ。 ホシの狙いは何なんですかね?」 「それを調べるのが俺等のお仕事。 さぁ、一兵!」 沖田に煽られ、平尾は渋々腰を上げる。 「解りましたよ、オキさん。 ほら、行くよ。ジョー」 「はい」 「ハト、俺達も…」 沖田はそう言い掛けて止めた。 鳩村はじっと射撃位置を見つめている。 「…絶対捕まえてやるぜ、スナイパーさんよ」 「ハト」 「あぁ、解った」 鳩村はそう言うと刀に飛び乗った。 手掛かりを得る為に。 心地良いエンジン音が後押しする。 だが、その現場を見つめる人影が存在していた事に 彼等は誰一人気付いては居なかった。 |