Perfect Crime・7

翌朝。
寝ている所を叩き起こされた。
もう取調べか…。
そう思った。

「出ろ…」

刑事は不満げな顔でそう言い放った。
「お前ん所の親分さんが来た。
 一時釈放だとよ」
「え…?」
「ち、本庁の横槍が入らなかったら
 落とせたものを…」
「…」

大門が掛け合ってくれたに違いない。
一時的とは言え、
あの拷問の様な取調べから解放されるのだ。

「また直ぐにしょっ引いてやる。
 今度こそ吐かせるからな!」

刑事の吠え声も北条の耳には入っていない。
大門に会える。
それだけで北条は嬉しかった。

* * * * * *

「団長…」

腫れた頬を隠す事無く
北条は満面の笑みを浮かべた。

「よく耐えたな、ジョー。
 病院からも要請が有った。
 お前は病院に戻り、
 早く体調を回復させるんだ」
「はい…」

大門はそれだけ言うと、
そっと彼の体を抱きかかえて
東部署を後にした。

それを見送る東部署の面々。
誰もが面白くないという表情を浮かべる。

「本庁まで出してくるとは…」
「恐らく木暮の力でも借りたんだろう。
 大門、ズルイ奴め!」
「止めておけ」
多田野は一人冷静に
その状況を見つめてこう言った。

「北条の罪が晴れた訳じゃない。
 我々は引き続き、奴の身辺を洗う」
「解りました」
部下達が一斉に所を飛び出す。
それを見送りながら
多田野は不気味な笑顔を浮かべていた。

* * * * * *

北条は再び緊急入院となった。
今回は連れ去りが無い様に、
軍団員が見張りに着く事になった。

「それにしても酷い怪我…」

見舞いに来た明子が思わず漏らす。

「こんなの、取調べじゃないわ。
 暴行よ! 只の暴行だわ!!」
「アコちゃん、落ち着いて…」

源田は必死になって明子を宥める。
北条は極度の疲労の為
静かに眠っている最中だったからだ。

「ご、御免なさい…源田さん」
「いや、ジョーの奴よく眠ってるから…」
「本当ね。
 …安心して眠ってるみたい」
「あぁ。でもこの怪我が何時完治するか…」
「そうね…。
 凍傷も有るのに」

彼方此方に残る火傷の様な痕。
殴られ続けて腫れ上がった頬。

改めて東部署の執念を感じ、
明子は身震いを起こした。

「源田さん…?」
「うん?」
「違うわよね。
 ジョーさんが犯人だなんて、
 間違いよね」
「あぁ。俺はそれを信じてる。
 俺だけじゃない。
 皆、信じてるよ」
「そうよね…。
 きっとそうよ。
 犯人は別に居るわ」
「あぁ、絶対に見つけてやる。
 ジョーの為にもな」

源田の言葉に、明子は力強く頷いた。

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SITE UP・2006.1.31 ©森本 樹

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