純一の住むマンションの一室に居た。
現場をロッソとゲール、阿佐に任せ
彼等は直接、敵の本拠地に姿を見せたのだ。
「な…何で此処に?」
「どうとでも出来るがな。
お前がネット回線使うて遣り取りすりゃ
その痕跡から何処に住んでるかは
結構簡単に割り出せるんや」
「ふ…巫山戯んな!」
「巫山戯とりゃせんよ。
電話を使えば、この娘がキャッチしてくれるし」
そう言ってシーニーは莫迦にした笑みを浮かべた。
「お前、な~んも知らんのやな。
せめて『道具の使い方』位は
お祖父ちゃんから教わっとくもんやで」
「無理よ、シーニー」
「何でや?」
「
「…そうやった。失念してたわ」
「的場、志穂……」
純一がそう呼ぶと、
ベルデは汚らわしい物を見る目で純一を一瞥した。
「NUMBERINGの分際で、人間に指図する気かよ?」
「無能な人間の分際で
NUMBERINGと戦うつもり?」
データ上は15歳の小娘に呆気無く反撃される。
純一は二の句が継げず、歯軋りしていた。
「あ~もう、面倒臭い。
純一。生命が惜しかったら俺の質問に答えろ」
「五月蠅ぇ! 俺に指図すんなっ!!」
シーニーは無言、無表情でショットガンを構えると
それを純一の顔の真横にぶっ放した。
壁が弾丸で大きく抉られている。
余りの恐怖で、純一は派手に失禁した。
「これでも出力は加減しとるんじゃ。
マンションやしな」
「此処がマンションの最上階で
同じフロアにこの部屋しか無かったから
本当に良かったわ。
他の住民に被害を出さずに済むから」
「そうやな。阿呆やけど金だけは無駄に持っとる。
お祖父様には感謝感激雨霰や」
言葉は巫山戯ているが、その表情は氷の様に冷たい。
シーニーは再度、ショットガンを構えた。
「次は何処狙おかな?
そう言えば鷹矢、両手両足もがれとったなぁ。
あれ、生きたままやろ?
可哀想になぁ~」
シーニーの照準が純一の右腕に定まる。
生命惜しさに逃げ出した純一は
足元に何かが絡まるのを感じた。
部屋から出る事も叶わず、派手に転倒する。
その際に左足首から激痛が全身を襲った。
「ふぎゃあぁぁぁーーーっ!!」
「逃げようとするからよ」
ベルデだった。
彼女は自身の武器であるワイヤーを
純一の左足首に巻き付けていたのだ。
彼が逃げ出すと作動する罠の如く。
「よし、純一。質問に答えてもらうで。
お前の祖父さん、或る組織の一員やな。
NUMBERING計画を立ち上げた奴等に
どう云う形で関わっとるんや?
資金援助か?
それとも、NUMBERINGを所有して
国家転覆企んどるんか?」
「し…知らねぇっ!」
「知らん訳あらへんやろ?
お前、肉親ちゃうんか?」
シーニーは倒れ込んでいる純一の髪を掴むと
乱暴に顔を上げさせた。