| File.1-13 |
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近寄り難い。とっつき難い。 それが、学生時代の俺の決まった印象だ。 誰も寄せ付けず、誰にも縋らず。 だから、ルームメイトと云う以上に 島の存在は俺にとって大きかった。 何時だって島は、俺の味方だった。 或る日の食堂で、 俺は同級生達と激しく口論になった事がある。 口喧嘩だけならまだ良かった。 だが、彼等は俺に対する『禁句』を口走ってしまったのだ。 「俺達はな、お前の様に『個人的な復讐だけ』で 勉強してる訳じゃないんだよ!」 「…何だとっ?! もう一回言ってみろッ!!」 俺は怒りに任せて、ソイツを殴った。 一発、二発…いや、もう数えられない。 馬乗りになって押さえつけ、何度も拳を叩き付けた。 「もう良い! 止めろ、古代っ!!」 取り巻きの見学人は数有れど、 俺を力づくで止めてくれたのは…島だけだった。 「もう良い。もう良いんだ、古代…」 「島……」 「もうお前が傷付く事は無いんだ。 そんな奴等は捨て置けば良い……」 「……」 不覚にも俺は泣いた。 俺は島の胸に抱かれ、思い切り泣いたのだった。 「思い出すなぁ…訓練学校時代を」 食堂で空腹を満たし、加藤はそのまま茶を飲みながら語る。 目の前に座っているのは、一期下に当たる山本だ。 「噂の新入生だった古代と島が… 今や俺達の上官だよ」 「元々実力は有ったんだ。当然だろう」 「そうなんだけどさ、ほら…チーフは…」 「あぁ、『伝説の』問題児、だっけ? 食堂での乱闘騒ぎも凄かったそうだし」 「俺はアレでチーフを見直したんだ。 骨の有る男が漸く現れたって」 加藤は古代、島よりも二期上である。 戦闘員としての特別授業では必ず最上位を占めていたが 古代と島の出現で、その座をアッサリと明け渡してしまった。 だからこそ、興味が有ったのだが 島はともかく、古代の人嫌いは噂に持ち上がる程だった。 「学生時代は孤独を絵に描いた様な奴だったが… 今のチーフを見てると、本当に安心するよ」 「加藤…」 「だが、複雑だよな」 「?」 「ガミラスを憎んでいるのは地球人として当然。 古代は…人よりもその思いが強いだけだ。だが…」 「……そうだな」 加藤はそれ以上言おうとはしなかった。 山本の方も理解してくれているだろう。 「加藤」 「何だ、山本?」 「俺はどんな事が起こってもチーフの味方だから」 「…当たり前だろう!」 加藤は少し怒ったような声を上げる。 それを見て、山本は驚く訳でもなく苦笑を浮かべた。 |