| File.1-17 |
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何時から気付いただろう。 ヤマト艦内に蔓延る【不穏な空気】に。 地球を救う為に遙か彼方 14万8000光年先に存在すると云う 惑星イスカンダルへ向けて出立した時。 確かに、其の時は… 皆の心を一つに合わせた筈だった。 必ず地球へ【放射能除去装置】を持って この長きに渡る航海を成功させると。 しかし現実はそう甘くはない。 色んな人間が乗り込んでいるのだ。 思惑、疑心、色んな思いが まるで玉虫色の様に合わさっていく。 班同士でも違う。 所属場所でも異なっていく。 正直、航海班の連中の話を聞けば 戦闘班の評判は芳しくない。 勿論、矛先は自然と戦斗班長へ。 同じ様に、戦斗班の意見を聞こうものなら 恐らくは俺が矢面に立たさせるだろう。 別に、俺は気にしない。 どれだけ罵倒されようとも、仕事はしている。 瑣末な事に気を許す時間すら惜しい。 『相手にしない』と云う選択肢を選ぶ事は 極々自然に選ぶ方である。 やはりそうなると問題は古代の方で アイツの性格上、 まともに暴力で訴えてしまうから性質が悪い。 不器用なのだ、何をさせても。 正直なのは良い事なのだが、 それが己の首を絞めてしまってはどうにもならない。 『取り敢えず…探るか』 そう思った矢先に、奇妙な現象が続いた。 先に動いたのは、相手…否、敵である。 俺にとっては不意打ちではなく 寧ろチャンス到来であった。 巧く利用すれば敵を炙り出せる。 最もダメージの少ない方法で、撃退出来る。 俺はそれを狙っていた。 『踊らされてやるよ。 適度な所迄なら、な』 所属で巧く隠していられる様だ。 俺のこの好戦的で冷酷な性格は 寧ろ迎撃戦に向いているのかも知れない。 タイプ的には真田さんに似ているんだろう。 戦術の話をすると、一番意見が合うのも 俺達が似ているからに他ならない。 部屋のロックを確認し、 島は暫く室内をキョロキョロと漁る。 不自然な動きに、古代もまた落ち着かない。 「島…?」 「最近乗組員に不心得者が居る様でな。 先日、俺の机の裏にこんな物が仕掛けられていた」 「これ…は……」 「小型の盗聴器だな。 俺達のプライベートでも暴露して ウサ晴らしをしたいんだろうが…」 「……」 「古代、この件は俺に一任してくれ。 お前は何が遭っても気付かない振りをするんだ」 「島…。しかしそれではお前の…」 古代は何かを言おうとしたのだが 島はそれを視線で遮った。 普段は窺い知る事の出来ない鋭い瞳。 流石の古代も、言葉を飲み込むしか出来なかった。 |