| File.1-19 |
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2人が出会ったのは【偶然】である。 誰かにそう尋ねても 恐らくはそう返答されるであろう。 だが、古代は島との出会いを 【必然】の物であると感じ取っていた。 島が居るからこそ、自分は此処迄来れたのだ。 両親を喪い、宇宙戦士になる事を決意して たった一人の孤独な戦いに身を置く事は 決して生易しい物ではない。 一人きりの戦いは様々な挫折を生み出し やがては復讐心すらも 朧げに変えてしまっていただろう。 『俺の本懐は… 島と高め合う事で、生き延びたのか…』 失わずに済んだ志。 島の存在は、正に【命綱】でもあった。 『どんな時でも島は俺の側に居る。 時には激しくぶつかる事も有るけど… だからこそ、解り合える。 俺達に中途半端な同情は必要無い。 本気だからこそ見えるし、見せられる。 本当の俺を、俺の姿を……』 鼓動の高まりを感じる。 全身に流れるは煮え滾るかの様な己の血液。 毛細血管の先迄 燃え尽きるかの様に 熱く、熱く蠢いている。 『生きている…』 そう、感じ取れる。 自分も。 そして、島も。 『確かに俺達は生きているんだ…』 遺体すら対面出来なかった。 大地の表面に焼き付けられた影。 辛うじて焼け残った布切れだけが 彼の両親が此処に居た事を証明した。 余りにも残酷な記憶。 『今でも忘れてはいない。 いや、忘れられない。 思い出せば思い出す程、 俺は全てが憎くて仕方が無くなる…』 両親が健在している島の存在が 最初は憎くて仕方が無かった。 彼の戦う必要性が見出せず 其の本心を窺い知る事が出来なかった。 だが、何時からだろう。 島は失わない為に戦う事を決意したのだ。 失ってから行動したのでは遅過ぎる。 其の発言は、まるで守の様でもあった。 『守兄さんは… 島と同じ思いで志願したんだろうな。 自分の手で、どうしても守りたかった。 地球を…家族を……』 今迄見えなかった部分。 知らなかった一面。 それが、島の言動から 漸く窺い知る事が出来た。 彼との出会いに依って 古代も又、【戦う意味】を考え始めていた。 復讐は【奪う】為の戦い。 奪い、奪われ… 何時其の戦いは潰えるのか。 『母さんが戦う事をあれ程拒絶したのは 復讐の連鎖を恐れての事だったんだろうか?』 優しかった母の横顔を思い出し、 胸の奥が鈍く痛み始める。 『それでも男なら… どうしても戦わなきゃいけない時が有る。 それが、今なんだ……』 そっと優しく髪を撫でられ、 古代はゆっくりと顔を上げる。 其処には心配そうな島の表情が。 『そう。今は戦うべき時。 俺だって守りたいんだ。 この手で、誰かを…。 大切な、誰かの事を……』 |