| File.1-6 |
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アイツの勝手な振る舞いには 好い加減頭に来ていた。 一度懲らしめてやらないといけない、と思っていた。 地球をもう一度碧い惑星へと甦らせる為に 半ば絶望的なこの旅をそれでも進んでいるのは アイツ一人だけじゃない。 皆、不安なのだ。 だからこそ助け合わねば… そう、思っていた。 が、それは俺の独り善がりに過ぎなかった。 アイツは俺の手等 必要とはしていないのだ。 あの日の晩、それを…痛感した。 そして、その日を境にして 確かに俺は一人ぼっちとなった。 孤独、不安、悲しみ。 だが、俺はそれ等を表に出せない。 地球に戻れば家族が居る。 だから、我慢しなければならない。 だが…何時迄? 何時迄…俺は 自分を隠さなければならないんだ? 辛い。苦しい。 言い表せぬ心の痛み。 そして…。 俺は、自分の弱さを思い知らされる。 所詮この程度なのだ。 どれ程勉強しようが、体を鍛えようが、 俺はアイツを超える事が出来ない。 何時までも、俺は二番手以降。 それに甘んじるつもり等無い筈なのに、 どうしても越えられない壁が 確かに目の前に存在している。 そして、それを認めたくはなかった。 ただ、負けを認めたくなかったのだ。 俺が一人、どんなに抗って見せた所で 何が変わる訳でもない。 無駄な足掻き。 只の八つ当たり。 この行為も、そんな所か。 時折聞こえてくるか細い悲鳴も 俺の知る声では無い。 身体は熱を帯びながらも 心は何処か枯れ果てた様に寒かった。 滅茶苦茶にしてやりたい衝動だけが 空しく抵抗しているかの様に。 こんな事をしても無駄なのだ。 古代は、やがて俺から離れていく。 俺の手の届かない処へ、一人で。 そして俺は…見送る事しか出来ず、 一人…涙を流すしかないのだろう。 僅かな滑りを利用し、更に深く入る。 古代の感じる痛みが…伝わってくる。 だが、後には退けない。 此処まで傷付けてしまったのであれば…。 だが、変だ。 初めての様な苦しみ方、痛み方。 艦長とそれなりの関係であったとしたら 此処まで苦しんだりするだろうか。 単に俺が下手糞なだけかも知れんが 少なくとも女性経験は有る。 だから古代が見せる様子に対し 経験者の反応にしてはおかしいと 違和感が生じていた。 そう、違和感。 それが俺の心の中に眠る良心を擽るのだ。 もし、もしも…俺の考えが外れていたら? 古代は艦長と、そもそも【何も無かった】としたら? 俺のこの行為は… 単に、古代を痛め付けているだけでは? いや、それは無いだろう。 ならば何故古代はあんな時間に艦長と。 それに、俺は確かに見ているんだ。 その現場を、この目で。 だが、考えてもみろ。 艦長は着衣のままだったし、 今の俺達の様な状態では無かった筈。 それも又、確認しただろう? 俺は心の中で激しく葛藤していた。 真実は…どちらなのか。 そして俺は…どうすれば良かったのか。 |