| File.2-4 |
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此処暫く、戦闘は無い。 穏やかに流れていく時間を不安に感じる者。 古代は胸騒ぎを抑えられずに 何度も島の部屋を訪れては、自身の心の内を吐露した。 「まぁ、解らんでも無いよ」 「本当か、島?」 「あぁ。俺だって不気味で仕方が無い。 ガミラスの『ガ』の字も無いなんて… 普通に考えれば可笑しな話だ」 「だが…そう考えてるのは 第一艦橋に所属するメンツだけだ…」 「…そうみたいだな。 後は…ブラックタイガー隊位か」 「加藤達は戦火に敏感だからな」 落ち着きの無い古代を察して 島はそっと温かい紅茶を差し出した。 「飲めよ」 「あぁ…済まない」 丁度好い加減の温度に味わい。 ゆっくりと咽喉に流れていく感触に酔いしれながら 古代の視線はずっと島を追っていた。 「艦内の不穏な動きもある…。 何時何処で何が爆発するか判らん」 「島……」 「全員が戦争を望んでいる訳じゃない。 そんな愚かな奴等ばかりじゃない。 俺達だってそうさ」 「…あぁ」 「だが、自身の罪を意識している者と 傍観者の間には埋められない溝が存在する」 「傍観者…?」 「そう、傍観者気取りの奴等は間違い無く居る。 そいつ等が何も問題を起こさなければ良いが……」 島の懸念はずっと前から存在していた。 学生時代、絶えず古代を苦しめて来た存在。 戦争を甘く考え、自分は無関係とシラを切る。 この世で最も卑怯な人間達。 「島……」 「古代、コレだけは伝えておくよ」 「…何だよ、改まって」 「どんな状況下に於いても… 俺はお前の『味方』だからな」 「…今更だろう? お前は一度たりとも 俺に敵対した事なんて無かった」 「古代……」 「これからだってそうさ。 島、俺はお前を信じてる。 お前には安心して背中を預けられる」 「古代…お前……」 「お前だけは…どんな事が遭っても 俺を見限ったりしないって…信じられるんだ」 「…勿論だ、古代」 予感は有った。 長くこの状態が続けば… 戦闘クルーと非戦闘クルーの間に 衝突が起こるかも知れない、と。 その時、一番傷付くのは… 他でも無い、古代 進自身だと。 だからこそ守りたかった。 何が起ころうとも、安心させたかった。 「古代、これからどうするんだ?」 「これから…? 寝るだけだが」 「そうか…」 「…島?」 「ん?」 「寝るってのは、その……」 「…ん?」 「…解ってるんだろ、本当はっ?!」 「お、おい! 待てよ、俺は本当に…っ!!」 誰にも邪魔されない空間。 2人はひと時の安息を楽しんでいた。 学生時代の、無邪気な2人に戻りながら。 |