| File.3-17 |
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2日目の朝を迎えた。 俺はいつの間にか眠っていたらしい。 傍らには散々酒を呑んだ大介が 無防備な寝顔を曝している。 まるっきり少年の表情。 やはりこうして見ると、次郎に似ている。 「おはよう」 俺達に気を使ってくれたのだろう。 両親と一緒に寝たらしい次郎が 兄2人に占領された自室へとやって来た。 「おはよう、次郎」 「よく眠れた?」 「御蔭様でね。次郎は、もう大丈夫か?」 「うん、平気! 慣れてるよ」 「…そうか」 苛められる事等に慣れて欲しくは無い。 だが、それ以上に逞しさを見せる次郎に 俺は心の底から安心出来る何かを感じた。 「大介兄ちゃん、まだ眠ってるの?」 「そうみたいだ。起こそうか」 「だって、悪くない?」 「大丈夫だろう」 俺は笑いを堪えながら、 ゆっくりと己の手を彼の脇腹に据えた。 擽らせて起こしてやるつもりだった。 …しかし。 「うわぁーーーっ!!」 「す、進兄ちゃんっ?!」 ベッドから投げ落とされたのは俺の方だった。 大介は既に起きていたのである。 全く…意地の悪い性格だな。 「無防備な方が悪い」 「だからって…背負い投げるか、普通?」 「受身を取れよ」 「そう云う問題じゃ…あいたたた……」 「朝から賑やかね」 「あ、母さん。おはよう…」 「おはよう。皆、御飯が出来ているわよ」 相当凄い音がしたにも拘らず 大介の母さんは笑みを浮かべたままだ。 そう云えば、味噌汁の良い匂いがする。 「さぁ、着替えて食卓へいらっしゃい」 「は〜い!」 既に着替えている次郎が返事をしてそのまま食卓へ。 俺と大介は一瞬顔を見合わせると、 何故か競争の様にパジャマを脱ぎ捨て始めた。 会社に出向く大介の父さんと 小学校に向かう次郎を見送ると 俺達は再び部屋へと戻った。 モニターに電源を入れる気も起こらない。 今更情勢を知ったって何も変わらない。 知りたいという気すら起きないのだ。 大介に到っては、机に置いてある灰皿を 態々ベッドの縁に持って来ている。 「吸うのか?」 「あぁ。要る?」 「…遠慮する」 「ん……」 コイツが煙草を吸うなんて知らなかったから 初めて見た時は「何て不良だ!」と思った。 だが…今は意外とその姿が様に成っていると 思わず見惚れてしまう自分が居る。 大介なら何でも良いのだろうか、俺は。 「酒も煙草も、ヤマト内で覚えたっけ」 「…そうなのか?」 「あぁ。18歳は既に成人だからな。 現状の法律では」 「…ガミラスが政治に介入してくれば、 地球人の成人なんて存在しなくなりそうだ」 「……」 大介の表情が又一段と険しくなった。 彼が態と避けていた単語を 事もあろうに俺が口にしてしまったのだから 彼が怒っても無理は無い。 「大介……」 「……」 「怒ったか、大介…?」 「…いや」 煙草を灰皿で強引に揉み消すと 大介はそのまま、俺を床に押し倒した。 |