| File.3-19 |
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不思議なものだと思う。 宇宙戦士としての訓練を受け、 そして宇宙戦士として旅立った俺達。 何時果てるとも知れぬ旅路で こんなにも互いを必要とし合えた事を。 敵兵の命を奪いながら その半面で誰かを想う。 戦争なんてのは、実に下らない。 これは俺に科せられた罰なんだろうか。 確かにこの手で、俺もガミラス兵を殺めてきた。 だから今度は… 俺がこの世で最も大切な存在を 奪われる事になると言うんだろうか。 何の為に俺達は戦ってきたのだろう。 そして…俺はこれから 何の為に生きていけば良いのだろうか。 こうして、古代を腕に抱きながら眠るのも 今日が最後となるのだろう。 明日が来たら、もう二度と会えなくなる。 考えた事すら無かった。 古代が、俺の前から居なくなるなんて。 戦斗班長として前線に赴く彼に対し、 どうして其処まで信頼出来たのかは解らないが。 だけど俺はいつも、彼が無事に帰還すると 信じて疑いすらしなかったのだ。 それが…こんな事になるとは。 やはりどうしても信じられないし、信じたくない。 古代は眠った様だ。 少し悪いとは思いつつも 俺はそっと腕を抜いて、彼に布団を掛け直し そのまま台所へと向かった。 何もする気が起こらず、ただ…座っていた。 すると不意に、目の前にコップが差し出される。 「…母さん」 「落ち着かないの?」 「…あぁ」 「そうなの…」 心配してくれているのが判る。 久々に会えた母親すら、辛い思いをさせる。 俺は何時からこんなに親不孝者に成ったのだろう。 自分で、自分が情けなくなってきた。 「未来は、変えられるわよ」 母さんの口から出た言葉に、 俺は思わず驚いて顔を上げた。 「貴方達はまだ若いのだから。 そして何よりも生きているのだから。 諦めなければ、又 立ち上がれるでしょう?」 「だけど…俺達は……」 「諦めない事の大切さを私達に教えてくれたのは 貴方が乗っていた【ヤマト】なのよ」 「母さん…」 「大介、貴方はヤマトの航海班長だったのでしょう? もっと胸を張りなさい。 そして、自分の力で未来を掴み取って御覧なさい」 「……」 「父さんも母さんも、そして次郎も 貴方の決断に従う覚悟は出来ているのよ」 「…?」 母さんの言いたい事を、この時の俺は理解出来なかった。 目の前の最大の不幸に気を取られ、 未来がまるで見えていなかったからだ。 だが、母さんの言う通りである。 俺達の絆が本物であれば、必ず会える。 いや…必ず逢ってみせる。 例え彼奴が、宇宙の彼方へ赴こうとも。 それが【俺達】なのだから…。 愛しているんだ。 こんなにも深く、強く、 誰かを愛した事など記憶に無い。 そして…きっとこれからも無いだろう。 俺は生涯、古代 進だけを愛し続ける。 |