| File.3-4 |
|---|
衝撃の報告から3日後。 ワープ決行まであと6時間。 島は真田さんや徳川さんと動力チェックに向かい 今は第一艦橋には居ない。 俺はまた、手持ち無沙汰。 加藤や山本を誘って、トレーニングでもしようか。 食堂で軽く昼食を済ませると 俺はその足で格納庫へと向かった。 目の前に居る数人のグループは やはり俺と同じく暇を持て余している戦斗班員。 そして、オレンジ色の矢印の制服…藪、か? 「あぁ、古代『戦斗班長』殿」 随分引っ掛かる言い方だ。 俺は敢えて無視する事に決めた。 「長らくお疲れ様でした。 まぁ、ガミラスの兵隊を散々殺れたんだ。 満足でしょ? それともまだ殺し足りませんか?」 「……」 「この世界は生命有っての物種。 誰かさんの個人的な復讐で 巻き沿い食うのは御免ですからね。 これからは自分だけで処理して下さい」 藪の声に呼応する笑い声。 脳裏でプチンと何かが切れる音が聴こえた直後、 俺の意識は完全に消えた。 「島! 島、居るかっ?!」 機関室に飛び込んで来たのは加藤だった。 此処を滅多に訪れない人物が血相を変えている。 尋常じゃない、何かを感じた。 「此処だ。どうした、加藤? お前がこんな処に来るなんて珍し…」 「話は後だ! 頼む、ついて来てくれ!!」 「何が遭った? 説明を…」 「後だ! 済まん、島を借りるっ!!」 「急いで行って来い、島。 此処は俺と徳川さんで何とかする」 「…済みません。真田さん、徳川さん」 加藤に促される様に島も機関室を飛び出して行く。 その後姿を見送りながら 徳川は漸くゆっくりと口を開いた。 「加藤は自分の持ち場を離れない奴なんじゃが… あの分だと、第一艦橋から真っ直ぐに 此処へ向かって来た様じゃな」 「えぇ…。冷静なアイツがあれ程取り乱すとは。 多分…古代が、何か……」 「心配なら、お前さんも行くと良い。 な〜に、波動エンジンは問題無しじゃ。 予定通り、ワープ出来るよ」 「では…失礼して、俺も……」 「あぁ……」 2人に続いて真田も機関室を後にする。 調子良く動く波動エンジンの音に耳を傾けながら 徳川は此処に居る筈の男の不在を考えていた。 「藪よ…。 お前は、地球に戻りたがっていたな。 この戦いを『無意味』と称し、 別の世界に目を向けたまま。 地球に戻れると判ってからのお前は 益々、その傾向が強くなった」 此処までの航海で、常に自分の右腕となっていた藪。 彼の心の動きは、多少なりとも感じ取っていた。 「なぁ、藪よ…。 お前は何の為にヤマトに乗り込んだんじゃ? あの時の気持ちを、 お前はもう忘れてしまったんじゃろうか…」 |