| File.4-1 |
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小型艦から見たガミラスの本艦は 強烈な存在感を醸し出していた。 圧巻される。 これが…ガミラス帝国の力だと言うのだろうか。 古代は何処かで感じ取っていた。 地球人類ではやはり ガミラス帝国には勝てなかったのだ、と。 「間も無くデスラー艦に到着します」 「うむ、総統閣下に御報告を」 「了解致しました」 艦内の遣り取りを耳にしながらも 古代の視線は真っ直ぐに デスラー艦唯一隻に向けられていた。 『あれが…デスラー総統の乗る船。 俺の身柄は…あの中で拘束されるのか』 自分は地球連邦政府より差し出された 言わば両国間の和平の為の【生贄】である。 どんな目に遭わされるか等 それこそ考えれば考える程 滅入ってしまってもいい筈なのに。 不思議と古代の心に不安は無かった。 只一つ気掛かりなのは…島の事である。 普段は物静かで穏やかな性格をしているが その反面、非常に頑固で一本気である。 そして誰よりも古代の身を案じてくれていた。 自分の事などお構い無しに。 『大介……。 どうか、お前だけは幸せになって欲しい。 俺の分も地球で、幸せに暮らして欲しい。 お前には父さんや母さん、 そして…次郎が居るんだから……』 目を閉じて思い出すのは何故か 島の物憂げな横顔だった。 『否定しないでくれ、大介…』 『進…俺は必ずお前を迎えに行く』 『大介……』 島の決意の叫びが、再び脳裏を過ぎる。 認めざるを得ない。 自分自身、それを待ち望んでいるのだと。 『その結果、大介を 永遠に喪う事になっても… 本当に後悔しないのか?』 自問自答したところで 心からの願いを覆す事など不可能。 解り切っている。 実に単純な【願い】を。 『大介が存在してこそ、俺は生きている』 こうして離れ離れになって より一層強く感じる、その存在。 彼こそが正に自分の守るべき【故郷】なのだと 痛感せざるを得ない。 『手放したとは思っていない。 俺は…ただ、守りたかっただけだ。 誰よりもこの手で、大介を…』 船はゆっくりとデスラー艦に接近する。 いよいよ、自分の身はあの艦の中に。 覚悟を決めた古代の横顔を一瞥すると タランは満足そうに一人頷いた。 「うむ」 「?」 「良い表情をしている。 捕虜にしておくには惜しい、実に」 「…タラン将軍?」 「私の独り言だ。 気にしないでいてくれたまえ」 「…はい」 タランが何を言わんとしていたのか。 古代には理解出来なかった。 タランも又、歴戦の勇者として ガミラス帝国にその名を残す人物。 一人の武人として、 彼は最初から古代を評価していたのだ。 |