| File.4-13 |
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俺は決して説明が得意な方では無いが 必要最低限の事は伝えた筈である。 なのにデスラーときたら まるっきり無反応なのだ。 意味が解っていないのか? 「だから俺は…」 「小姓の嘆願、だろう?」 「あぁ。解っているなら…」 「あの決定は私の下した物ではない。 文句が言いたければ 元老院に通達すれば良かろう」 「げ…っ」 「私の御機嫌取りとは 何とも慌しい奴等だからな」 「だったらデスラーが一言言えば 奴等だって……」 「何の為に?」 「え?」 デスラーはスッと立ち上がると 氷の様な眼差しを俺に向けた。 「小姓一人救ったところで何が変わる?」 「デスラー…」 「古代。お前は戦士。そうだな」 「あぁ、確かに俺は宇宙戦士だ」 「「お前はつい先日迄 我がガミラスと死闘を演じて来た。 ガミラス憎しと戦って来た筈だ」 「……」 「小姓とはいえ、ガミラス人。 憎むべき存在が一つでも減れば それだけお前の本願も近付くであろう」 ガミラスへの憎しみ。 俺の両親を、兄を奪った 憎い…憎いガミラス。 だが…だが、俺は…。 「俺達は奪う為に 戦って来た訳じゃない。 守る為に戦って来た。 今迄も、そしてこれからも」 「綺麗事だな」 「何?」 「戦争で守れる物は何も無い。 全てが奪い、破壊し尽くす物のみ。 お前は戦いを、戦争を美化して 自分を英雄に仕立て上げたいのか?」 「違う! 俺は…」 「ならば処刑でも文句は有るまい」 「駄目だっ!!」 戦士として、デスラーの言い分は解る。 俺の発言が綺麗事だと言う事も。 悔しいが、デスラーの言葉が 正論なんだと言う事も。 だからと言って諦めていては 戦争は何時まで経っても終わらない。 傷付く人が増えるだけ。 星々が破壊されていくだけ。 誰かが止めなければならない。 誰かが【負の連鎖の楔】を、 断ち切らねばならないのだ。 「俺は約束したんだ。 守れる生命は、必ず守る。 例えどんな事が遭っても… 俺はもう、諦めたくない!」 「…ほぅ」 デスラーの表情が少し変化した。 聞く耳を持ってくれるのだろうか。 それとも、まだ駄目なのか。 「では私が処刑を止めるとしよう。 見返りに、お前は私に何が出せる?」 「え?」 「タダ、と言う訳にも行くまい。 元老院の決定を覆すのだ。 それ相応の見返りが有っても良かろうに」 デスラーは笑っている。 やはり…そう来たか。 だが、逆に考えれば 奴の満足する見返りさえ与えれば 間違い無く小姓の処刑は免れる。 俺の、アイシァの願いが叶うのだ。 「デスラー。 お前の…望むままに……」 「そうか。ならば…」 「?」 「今宵一夜、お相手願おうか。 宇宙戦士の体が如何程の物か、 私も興味があるのでな」 「…解った」 此処迄来て俺も退けない。 不本意だが、呑むしかない。 俺は…覚悟を決めた。 |