| File.4-5 |
|---|
元来【会議】と云う物には消極的な方である。 現地の考えはほぼ素通りで相手にされず、 上の意向ばかり押し付けられる。 それは地球人でもガミラス星人でも 変わりは無いのだろうか。 慣れぬロングドレスのすそを引き摺りながら 古代は長い廊下を只歩いていた。 すると。 「おぉ、こいつか」 「如何にも。地球からの【貢物】らしい」 「随分と小生意気そうな」 好き勝手に批評する軍人達。 階級は将軍とまでは行かない様だ。 タランの持つ勲章の数と比べれば 一目瞭然だった。 「……」 「何とか言ったらどうなのだ?」 「少し叩いてやれば良い。 そうすれば鳴くだろう、この玩具は」 「成程な」 『こいつ等……』 この状態でも反撃するのは容易だろう。 自分はこれでも戦斗班長だった男だ。 肉弾戦に対する訓練も確り積んで来た。 しかし、問題が有るとすれば… それは相手の【立場】だろう。 ヒスはこの会議が【評議会】の開催だと言っていた。 軍人としての地位は低くても 貴族である可能性が非常に高いのだ。 叩き上げの軍人よりも貴族上がりの方が性質が悪い。 もし捕虜が貴族に暴力を振るったとしたら。 その結果、死なせてしまったとしたら。 古代も莫迦ではない。 悪戯に暴れて自分の立場をこれ以上 悪化させる気はサラサラ無かった 『適当に飽きてくれれば助かるんだがな。 お互いの為にも…』 とにかく此処は耐えるしかない。 そう思っていた。 「此処は廊下である。 通行を妨げるおつもりか?」 背後から聞こえてきた声は 何処となく島に似ていた。 古代は慌てて後ろを振り返る。 其処に立っていたのは 自分よりも遙かに背の高い 立派な体躯の男だった。 勲章の数が彼の武功を称えている。 一目見ただけで、高い地位の将軍だと判った。 「ドメル将軍…」 「こんな場所で暢気に油を売ってても宜しいのか? 急ぎ着席し、総統閣下のお言葉を頂戴する準備でも 取り掛かられてはどうなのかな?」 「…くっ」 「し、失礼する!」 ドメルの一喝に烏合の衆は その場を退散するしかなかった。 唯一人残された古代は その一部始終をじっと見つめていた。 横顔も何故か島を彷彿とさせた。 揺ぎ無い、自信に満ちた瞳の輝き。 嘗て自分の一番傍に立ち、 自分だけを守ってくれた存在。 『似ている…。大介に……』 懐かしさも相まってか、 古代の視線はドメルに釘付けとなってしまった。 |