| File.4-6 |
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「随分と恥ずかしい部分を見せてしまったようだな。 全く以って忝い」 ドメルはそう言って笑っている。 やはりその笑顔は島と良く似ていた。 或いは古代の思いが、 ドメルと島を重ねていたのかも知れない。 「君が古代、か」 「はい…。先程は有難う御座いました」 「いや、私もあの連中が嫌いなのでね。 日頃から目に余る態度ばかり、 いつかは仕留めてやろうと思っていただけさ」 「…そう、ですか」 「奴等は現場を知らん。 故に戦士の気持ちを知ろうともしない。 生まれだけを気にし、媚を売り続けている。 愚かな輩だ」 「…似てる、のかもな」 「ん?」 「地球にも…似た人種が存在する」 「ならば君は、私と近い立場なのかも知れんな」 「……」 「戦士とは、辛い者だよ…」 古代の脳裏にヤマトでの航海が蘇っていく。 イスカンダルへ向かう旅を中断させられた あの苦々しい思い出。 そして、忘れられない友との別れ。 『大介……』 声を聞く事すら出来なくなった 誰よりも愛しく、大切な存在。 どうしても気に掛かってしまう。 『大丈夫、大丈夫だ。 大介は俺なんかよりもずっと 要領も良いし、味方も多い。 きっと巧くやって行けるさ』 不安が過ぎる度、そうやって打ち消してきた。 これから後何回、こうやって不毛な押し問答を 繰り返すつもりなのだろうか。 『大介…。俺も頑張ってみるよ。 いつか、お前と逢える日が来ると信じて…』 古代は信じていた。 再び、島と共にこの大宇宙を旅する日が来る事を。 会議自体は非常に中身が無く 欠伸を噛み殺して平静を保つのが大変だった。 その位しか、記憶に残らない。 貴族軍人の祝辞や賛美は 聞いているだけで鳥肌が立つ程に気持ち悪く、 デスラーは、よく平然としていられるものだと 的外れな心配をしたりしていた。 地球の支配制度に関する話が聞ければ、とも期待したが この様な場所では逆に意味が無いのかも知れない。 ガミラス帝国ではデスラーの一言が絶対故に 評議会の決定を鵜呑みにする者は余り居ないらしい。 やはり、形だけの議論なのだ。 『つまらない…か。 確かにこんな毎日じゃ、つまらないだろうな』 内面からガミラス帝国を見る事が出来る様になって 古代は自身の考え方に変化を来たしているのを感じていた。 『ガミラス帝国は…家族の仇だった。 父さんと母さん、そして兄さんを奪った 憎い、憎い敵だった筈だ。 それなのに俺は…何時から……?』 これは【裏切り】に値するのだろうか。 無念に散った家族に対する裏切り。 父や兄はそんな自分をどう思うだろうか。 『母さん…』 そして、争いを嫌う優しい母は こんな自分をどう評価するのだろうか。 |