| Data.1-8 |
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俺がスーパーアンドロメダにではなく ブルーノアに乗れたのは 後々考えれば…運が良かった、と思っている。 生きて、こうしてヤマトに乗れたのだから。 しかし、当初スーパーアンドロメダに乗る筈だった俺を 艦長権限で移動させたのは… 何を隠そう、古代 雪その人だった。 乗船する直前、緊急で艦長室に呼ばれたのを 俺はまだ鮮明に覚えている。 「急に呼び立てて御免なさいね。 どうしても貴方には ブルーノアに乗ってもらいたくて お呼び立てしたの」 臆する事無く、しかし何処か優しげに 彼女はそう俺に告げた。 決して事務的では無い、上品な物腰の柔らかさ。 先方側の急な配置転換にも関わらず 俺には怒りすら湧いてこなかった。 「貴方の学業成績や今迄の功績を拝見したわ。 実に見事な物だと素直に感じました」 「…お褒めに預かり、光栄です」 「決してお世辞などでは無いわ。 だからこそ…貴方にはブルーノアで 指揮系統を補助してもらいたくて」 「失礼ですが…何故、自分を?」 「…そうね、良く似ているから」 「誰に…ですか?」 「古代に…、古代 進に」 北野教官との会話以来、だった。 伝説の宇宙戦士、古代 進。 「貴方は本当に、古代の若い頃に良く似ている。 きっと…彼の様に、いいえ…彼以上に 成長してくれると思っています」 「…そ、そんな…俺は……」 「恥ずかしがる仕草まで、似てるのね」 古代女史は、何処か寂しげな表情を浮かべている。 彼女が夫である古代 進と長年別居状態にある事は 当然、俺の知る所ではない。 だからこそ、彼女の悲しげな瞳は 強烈に俺の胸に焼き付いて離さなかった。 「ブルーノア乗船を、引き受けてくれるかしら?」 古代女史は俺の意見を求めて来た。 上官命令は絶対だし、既に辞令は出ている。 しかし…彼女は俺の意志を尊重してくれた。 女性ながら、凄い人だと感じる。 いや…寧ろ女性だからこそ、なのかも知れない。 こんな理解力と包容力の有る慈愛に満ちた女性の夫。 俺は益々古代 進に対する関心を高めていった。 「上条 了、謹んで ブルーノア乗船命令をお受け致します」 「宜しくお願いします、上条さん」 「はい、任せて下さい!」 互いに無事の航海を祈って、 俺は彼女を固い握手を交わして別れた。 「あんな良い嫁さん貰って… 何であんな風に成っちゃうのかねぇ…?」 「ん…?」 「…あぁ、独り言」 回想から急に現実に引き戻された。 いぶかしむ郷田を横目で確認しつつ、 俺は…俺なりに考えてみた。 |