| Data.2-12 |
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「第一次戦闘配備に就け!」 間髪入れない次郎の声に、 第一艦橋の空気が一変した。 「ジェラ=ディーは我々に対し 友好ではなく、挑戦状を叩き付けて来た。 古代艦長の身柄の安全を確保し次第、 我々はジェラ=ディーに宣戦布告を出す!」 「そう来なくっちゃ! 彼奴等、胡散臭いと思ってたんだっ!!」 「小林、コスモパルサー隊の出撃準備を急げ。 その際、救命艇を派遣するから其方の準備も」 「勿論です、副長!!」 好戦的な小林にしたら、 よく此処迄我慢出来たものである。 待ってましたとばかりに第一艦橋を後にした彼は この後の激闘を知る術も無いだろう。 「奴等がどんな攻撃に転じるか判らん。 戦闘班は主砲の準備を急いでくれ」 「島副長、波動砲は…」 「波動砲を使えば…惑星に甚大な被害を与える。 使うタイミングだけは間違えてはいけないんだ、上条」 「…じゃあ」 「ただ、奴等が宇宙空母で出てくればチャンスが生まれる。 徳川さん。機関室に至急伝令を」 「承知しました、副長。 何時でも撃てる様、準備を整えてきます」 「お願いします」 迅速に、尚且つ的確に。 各員に指示を出していく次郎の姿は 何処と無く古代のそれを髣髴とさせる。 軍隊に所属しているとは云え、 次郎の戦場経験は上条の調べた情報から推察するに これが初陣の筈であった。 『もっとおっとりした人の筈なのに… 何だよ、今のこの姿? まるで別人じゃないか……』 次郎を替えた理由は容易に推察出来る。 ただ、余りにも容易に推察出来るが故に、 上条の心は穏やかになれなかった。 ボンヤリとしたとした視界が、 徐々に鮮明になっていく。 気配は数人感じ取れた筈だが 目の前に立っているのはパラチオン唯一人。 『先程迄 聞こえた声は一体…?』 古代は更に目を凝らして見る。 確かに人物はパラチオン一人だけだ。 だが彼の口から様々な声色が吐き出されている。 「さて、コレの始末は?」 「処刑は【キューヴ】に任せれば良い」 「成程、それは面白い嗜好だ」 『キューヴ…?』 聞き慣れない単語。 だが、存在が何であるのかは 直に判る事となる。 「古代艦長…どうかね? 我々の持て成し、気に入ってもらえて光栄だよ」 「……」 「ヤマト…だったね。気に入ったよ。 私のコレクションの一つにしてあげよう」 「…だ、誰が……っ」 「ほぅ…その状態でも威勢を張れるか。 なかなか感心な素体だ」 パラチオンはそう言って鼻で笑いながら サイコロ大の白い物体を古代の目の前にチラつかせる。 これが【キューヴ】の正体であった。 |