| Data.2-16 |
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「我等が母なる存在… そう、『レガシーの意志』の教え…です。 奴等に星の生命を奪われ続け、 レガシーはもう直ぐ死に絶えます。 完全に、消滅するでしょう……」 「……」 「我がレガシーの民も、今や私を含め 24人しか生き残っては居りません」 「星と…運命を共にする覚悟、なのですか? 皆さんはそれを納得していると…?」 「……」 デネボラの答えは無い。 古代の脳裏に突如蘇る記憶。 イスカンダル星の女王にして唯一人の生存者。 スターシアも又、滅び逝く運命の母星と共に 最期まで生きようとしていた。 古代の兄、守とその娘サーシャに全てを託して。 『しかし…守兄さんとスターシアさん、 そして…サーシャの愛は本物だった。 だからこそ、イスカンダルの為に彼女は 『生きる』道を選択したんだ……』 正体不明の異星人でしかない自分を 彼等は必死に救い出し、手厚く看病してくれた。 この心優しき一族を見捨てて、 果たして自分だけヤマトに戻れるだろうか。 古代の中で、既に答えは出ていた。 「デネボラさん…」 「何ですかな?」 「すっかり紹介が遅くなりました。 私は古代 進。 宇宙戦艦ヤマトの艦長を務めています。 貴方々さえ宜しければ… 共にヤマトに乗り、新たに旅立ちませんか?」 「…古代、殿?」 「生命の恩人の未来を聞き、 その上で何事も無かったかの様に 自分だけヤマトに戻る事など… 私には出来ません」 「しかし、古代殿……」 「その様な恥知らず、 ヤマトに戻る資格すら無い」 古代は笑顔を浮かべている。 滅びの道を共に進む事は許されない。 自分達には使命が有り、待っている人達が居る。 しかし、それ以外の方法であれば 共に未来を進む事も出来る筈だ、と。 「だが…しかし、古代殿…。 我々が負うべき宿命を貴方々にまで……」 「私は、貴方々レガシーの民を 誰一人として失いたくない」 いきなり現れた異星人である自分が 苦渋の選択を迫られたレガシーの民の下した決断に 無責任に水を差しても良いのだろうか。 彼等はどんな思いで、愛する母星の未来を知り そして自分達の未来を知っただろう。 逃れられない運命。 抗う術も持たなかった民。 覚悟を決めるしかなかった。 そんな彼等の下した決断を、覚悟を そう簡単に覆せるとは 勿論思ってなどいなかった。 しかし、それでも。 古代は此処で諦めたくはなかった。 諦めてしまえば其処で終わる。 そんな気さえしていたのである。 |