| Data.2-6 |
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レガシー探索の為、情報収集を始めて3日目。 それは意外な出来事によって中断された。 「艦長、レガシーの方向から通信が入っています!」 通信班長、中西 良平の声が第一艦橋に響く。 どうやらレガシーから 何らかのメッセージが発信されているらしい。 「送信宛は…ヤマトなのか? それとも不特定多数に宛てか?」 「いえ…これは、ヤマト宛の様です」 「メインパネルに映し出してくれ」 「解りました。メインパネルに映します」 中西は慣れた手つきでキーボードを操作し、 メインパネルに何者かの姿を映し出した。 『此方は…惑星ジェラ=ディ。 我が名はパラチオン。ようこそ、異星の戦艦よ』 「ジェラ=ディ?」 「レガシーじゃなかったのか?」 騒ぎ立てそうになる上条と小林を目で制止、 古代はパラチオンと名乗る男に返答した。 「私は宇宙戦艦ヤマト艦長…古代 進。 我々は太陽系第三惑星、地球から此処迄来ました」 『初めまして、地球の同志』 白銀の髪に、薄い青色の肌、そして赤い瞳。 静かに微笑むパラチオンに対し、 古代は心の何処かで警戒心を抱いている。 しかし、現存生物の確認の為に レガシー、いや…ジェラ=ディへの 上陸計画を立てていた矢先でもある。 これは願っても無いチャンスかも知れない。 『皆様をご招待したいのは山々なのですが… 我が星の主は大変気難しいお方でしてな。 恐らく、艦長殿以外とは面会なされないと思われます』 「艦長一人だけで会わせろって事?」 「小林……」 「…副長」 『異論は有るのも仕方有りませんね…。 しかし、二国のこれからの発展の為、 此処でお会いするのも悪くはないかと…』 古代は返答に窮していた。 自分一人だけで行くのは別に構わない。 一人で行けない、等と弱音を吐いていたのでは クルー達が笑い者になってしまうだろう。 しかし、何処かで納得がいかないのだ。 それは彼特有の【勘の良さ】に他ならない。 直感に理由など不要で、 戦地ではその直感こそが命綱。 『拒むのは簡単な事だ…』 古代は敢えて、その直感を封印した。 何もせず、恐れていても始まらないと 覚悟を決めたのである。 「…解りました。古代が単独で其方に参ると伝えて下さい」 「艦長っ?!」 「折角の申し出だ。断るのも忍びないだろう?」 「でも…っ!」 「小林…今は、耐えろ……っ」 「くっ……」 小林は納得がいかないとばかりに楯突くが 次郎に羽交い絞めされていては身動きすら取れない。 『流石は古代艦長。聡明な御決断に感謝します。 後程此方から船を出しますので、其方に乗船下さい』 「宜しくお願いします…」 古代の声にパラチオンは軽く会釈し、通信は其処で途切れた。 |