| Data.3-1 |
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電算室では先程からずっと 真帆が引っ切り無しにキーボードを叩き、 ワープ先の検索に当たっている。 この広大な宇宙、 然も情報量が格段に少ないプロキオ星系で 更に限られた時間内で、 果たして理想的なワープポイントを 探し出せるのだろうか。 否、見つけ出さなければならない。 出来なければ間違い無く、ヤマトは沈む。 「もう少しだけ… あと少しだけでも、時間を……」 何時訪れるか判らない、惑星レガシーの最期。 その時が来る迄には、何としても。 真帆は必死だった。 「皆さんのお部屋… 此処になりますけど、大丈夫ですか? ユニフォームのサイズは… キツくないですか?」 生活班長としての第一歩。 美雪も又、必死だった。 「えっと…生活班の主なお仕事は…」 「班長さん。この畑は生活班が?」 「え? あ、そう。そうです」 「我々は大地と共に生きてきた民族。 武器を取って戦う事は出来ませんが… この畑を肥やし、作物を実らせる事は得意ですよ」 「本当ですか! うわぁ〜、凄い!!」 「我々は持てる全ての知識と技術を 皆さんの糧に捧げます。共に、戦いましょう」 宇宙人との交流はこれが初めての美雪だったが 彼等は少しも怖くは無かった。 地球人よりも大柄だが、素朴で優しい人々。 彼等が此処まで虐げられた事実は 彼女にとって、到底許されない事であった。 「絶対に…負けませんから。 皆さんの新しい星、必ず…見つけ出しますから」 「班長さん。貴女は本当に…お父上に似ていらっしゃる。 意志の強い、美しい瞳をされている」 「…え?」 デネボラの発言に、流石の美雪も驚いたらしい。 目を大きく見開き、声を失っている。 「自信を持って下さい、我等が班長。 私達は何時だって、貴女の味方ですよ」 「あ…有難う御座います……」 祖父との交流が無かった美雪にとっては デネボラとの会話は、正にそれを連想させた。 「艦長……」 次郎はただ、その時を待っていた。 乗組員も全員、覚悟は出来ている。 このままで終われないのであれば やはり、いずれは戦わなければなるまい。 そして、その決断を迫る自分の立場に 彼は歯痒さを抱いていた。 『大介兄さんも、こんな思いを胸に 進の傍らに居たのだろうか…?』 自ら動ければ、決断を下せれば 却ってどれだけ楽だろう。 待ち構える運命の過酷さに 目を背ける事すら許されない。 それが、宇宙戦艦ヤマトの艦長。 『重過ぎる…。たった一人で背負うには』 彼の瞳は真っ直ぐに 艦長席に腰掛ける一人の男に注がれていた。 |