| Data.4-4 |
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足早に第一艦橋に向かうと 艦長席の側には既に真帆が来ていた。 「艦長代理」 「え…? あ、あぁ…」 正直、まだ【実感】は湧かないのだ。 流石に【艦長代理】の看板は重い。 「どうかなさいましたか?」 「いや、何でもない。 報告を聞こうか、真帆?」 「はい。先ずこの宙域ですが… やはり艦長代理の仰る通り 惑星レガシーの存在していた プロキオ星系ではありませんでした」 「長距離ワープが発生したと言う訳だな」 「えぇ…。12万光年のワープ。 物理的には有り得ない大跳躍です」 「…この場所は」 「トレイス星系の新しい銀河系内です。 我々の住む天の川銀河と 幾分か似ている点が存在しています」 「太陽を中心に…公転を繰り返す惑星群。 確かに、我々の太陽系と酷似している。 ならば人類に似た種族が存在している可能性も…」 「第3惑星アクエスに、生命反応が確認出来ました」 「アクエス?」 「此方になります」 モニターに映された第3惑星アクエス。 そしてその隣に映し出されるもう一つの惑星。 「双子星…?」 「はい。第4惑星シードラです」 「アクエスとシードラ…。 まるで、イスカンダルとガミラスみたいだな…」 青い宝石の様に輝くアクエス。 赤と緑に彩られたシードラ。 仲の良い兄弟の様に、静かに公転するその姿は 次郎の脳裏に 嘗てのイスカンダルとガミラスを思い出させる。 消滅してしまった、友好国の星。 それでも尚、星の遺志を受け継ぎ 其処に住んでいた者達は 今も懸命に生き続けている。 星の無念を晴らすかの様に、 魂の繋がりを確かなものへと変えている。 「真帆」 「はい」 「アクエスとシードラの大気の成分分析を。 ヤマトは先程の衝撃でかなり破損してる筈だ。 何処かで修理をしなければならないだろう」 「はい」 「それと…乗組員も疲れている筈だ。 異星人に抵抗が無ければ… 大地に降りて休ませてやりたい」 「艦長代理…」 「中西、先ずはアクエスに通信を。 ヤマトの着陸許可を願い出てくれ」 「了解しました!」 「シードラの生命反応は判らないのか?」 「まだ調査中です」 「急いでくれ。 出来れば双子星双方の許可が欲しい」 「解りました。善処致します」 「頼んだ」 次郎の足はそのまま機関長である徳川の席へ。 忙しそうに第一艦橋を駆け回るその姿を 上条は何故か苦々しく見つめていた。 『やっぱり…面白くないんだよな…。 頑張ってるのは認めている筈なのに 何だろう、この苛々は…?』 自分の中で沸々と滾る激しい感情に 上条は苦虫を潰す事しか出来なかった。 |