| Data.4-6 |
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「地球に戻ったら、先ずは何をする?」 不意に声を掛けられ、 俺は返答に窮した。 隣には同じ様に優しく微笑む ネグリジェ姿の雪が居る。 色んな思いを胸に、 遂に地球に辿り着く。 赤く焼けた地球が漸くあの美しい 青い惑星に蘇るのだ。 様々な感情が溢れて… 俺はどう答えて良いのか解らなかった。 「コスモクリーナーDの動作確認は済んでるし 其方の方は技術班の仕事だからね。 航海班としては地球に無事帰還すれば 全ての任務終了って事になる」 「あら? 上層部への報告義務は? 航海班長としての貴方の仕事は まだまだ終了ではないのよ、島君」 「それ位多めに見てくれよ」 「全く、困った人ね。 古代君、島君の こう云う所は見習っちゃ駄目よ」 「どう云う意味だよ!」 軽口を叩き合う恋人と親友。 彼等と出会い、こうして共に 時間を共有出来た事。 イスカンダルへ向かうヤマトの旅は 全てを失ったかに見えた俺に 再び生きる為の【糧】を与えてくれた。 「そうだ、古代! 写真を撮ろう!!」 「え? 写真なんて 大昔の技術に頼らなくても…」 「莫迦だなぁ〜」 「むぅ…。何だよ、莫迦って」 「だってそうだろ? 俺達は大昔に生み出されたこのヤマトで 29万6千光年の旅を成功させたんだ。 此処はやはりだな、 ヤマトが生まれた時代に肖って 記念写真を撮るのが筋だと俺は思う!」 「私も島君の意見に賛成!」 「じゃあ、佐渡先生に頼もう! 確か先生、カメラ持ってたよな?」 「それなら私が頼んでくるわ」 「頼むよ、森君!」 「お…おいおい……」 俺の意見なんて聞いちゃ居ない。 二人で話を盛り上げて 勝手にドンドン広がっていく。 でも、悪くは無い。 こう云う交流に本当俺は鈍いから グイグイ引っ張ってくれる位で丁度良い。 そう云う意味で大介は 俺が何も云わずとも舞台を用意してくれた。 息が出来る。 こんなにも楽に、簡単に。 この二人が居るだけで。 島 大介と森 雪が居るだけで。 俺は…何をする事もなく どんな努力をする事もなく 極自然に【古代 進】で居られるんだ。 この旅で終わりになどしたくない。 大介とも雪とも これからもずっと一緒に…。 「古代、何してるんだよ! ほら、此処に立って!!」 「古代君は此処! 私が此処で、島君はこっち!」 「じゃあ、森君を挟んで… 二人でこう、ガッツポーズでもするか?」 「格好悪いよ、それ…」 「そうかい?」 「写真は一生残るのよ。 子供に見せても恥ずかしくない様な 写り方をしないとね」 「ほら、お前等! もう良いのか? じゃあ写すぞー!!」 「それじゃ…」 「「「はい、チーズ!!」」」 |