Data.5-3

目の前で静かに微笑む女王は
本当に自分の妻、
行方不明であった
古代 雪その人なのであろうか。
自分は夢を見ているだけのではないだろうか…。

古代はまだ信じられず、
言葉を失ったままだ。

「こんな所で立ち話も変ですわね。
 続きは宮殿の中で
 する事に致しましょう」

女王に促されるまま
古代達5人はそのまま
宮殿内へと案内された。

* * * * * *

「何処からお話をすれば
 良いのかしらね…」

特別な来客専用の応接室、だろうか。
地球上に昔 生息していた
【貴族】と呼ばれる人々が
使用していたかの様な
立派な内装に見事な家具の数々。

女王は古代達にお茶を勧めると
優しい微笑を浮かべた。

「驚いたかしら?
 アクエスの文化レベルが
 それなりに高水準で」
「…いや、それは……」
「でもこの惑星の民は今でも
 『天より舞い降りる女王』により
 統治されているの」
「天より舞い降りる…?」
「地球の伝承にも有ったでしょう。
 1000年に1度、女神が現れる…と」
「…【竹取伝説】、か。
 正直、眉唾物だが…」
「そうね。今の地球では
 確かにそうかも知れない」
「ユキ様」

何処から話を切り出そうかと
苦悩している女王を見るに見兼ねたのか
それまで無言だった神官長のエアが
突然口を挟んできた。

「御歓談中、申し訳御座いません。
 僭越ながらこのエアから説明を…」
「あぁ、エア。
 お願い出来ますか?」
「畏まりました」

恭しく頭を垂れると
エアはゆっくりとした口調で
静かにアクエスの説明を語り出した。

「惑星アクエスは元々
 双子星である惑星シードラと共に
 文明を知らないまま
 長きに渡り存在しておりました。
 或る日、アクエスとシードラに
 天女が降り立ちまして
 それぞれの民に対して
 惑星の進化を助言されたのです」
「惑星の…進化……」
「はい。
 助言を受け入れたアクエスはゆっくりと進化し
 やがて文明を手に入れました」
「シードラは進化を受け入れなかった…と
 言う事なのでしょうか?」

島の問い掛けに対し、エアはゆっくりと頷いた。

「その後シードラがどんな道を選択し
 歩み続けているのかは…
 残念ながら史料が残っておりません。
 又 今の私達も惑星シードラへの
 不必要な干渉はすべきで無いと
 思っているのです」
「…そうですか」

双子惑星シードラの情報も手に入れば…と
思案していた島ではあったが、
その思惑は見事に外れてしまい、
柄にも無く落胆してしまうのであった。

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