| Data.5-4 |
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エアの話はまだまだ続く。 「天女はその時、こう言い残しました。 『私は再び舞い降りる。 アクエスの進化を見守る為に。 何度でも空より現れるだろう』と。 我々は天女の言葉を信じ、従い、 その結果として今のアクエスが こうして存在しているのです」 「だから…ワープショックで 次元の狭間に飛ばされた雪を……」 「えぇ…。 アクエスの人々は何も疑う事無く 傷付いた私を助け、看病をしてくれて… この星に受け入れてくれたのです」 それ迄はにこやかに 微笑を浮かべていた雪が 突然表情を一変させた。 今迄に見た事も無い様に悲しげな。 「雪…?」 「進さん、美雪。そして皆さん。 貴方達と再会出来て、本当に良かった…」 「…お母さん?」 「今アクエスは存亡の危機に瀕しています」 「?!!」 「皆さんはヤマトを修理次第、 直ぐに此処を離れて下さい。 侵略者が姿を現す前に」 「どう云う事なんだ? もし敵が攻めて来ると言うのであれば 我々がヤマトで…」 「アクエスは地球と友好条約どころか 国交も結んでいないのですよ。 これは地球に全く関係の無い出来事なのです」 「雪…、しかし……」 「私はアクエスに多大なる恩が有ります。 何も返さないまま地球に逃げ帰る事など 出来る筈もありません。 そしてどんな理由があるにしろ 今のアクエスの女王は私なのです。 私は、女王としての責務を 果たさなければいけません」 凛としたその言葉は 正しく惑星アクエスの女王に相応しい。 どんな敵が攻めて来ようとも 雪は逃亡する事無く この星と運命を共にする覚悟なのだろう。 最期まで女王として、この惑星を守る為に。 それは奇しくも嘗て出会った 気高きイスカンダルの女王と酷似していた。 古代はこれ以上雪を説得出来ないと判断していた。 付き合いが長い分、雪の性格は理解している。 共に宇宙戦士として激戦を潜り抜けて来たのだ。 彼女の固い決意に水を点すつもりは無かった。 だが、それは彼女の夫としてではなく 皮肉にも戦友に対する思いそのものであった。 「陛下、申し訳御座いません。 又…例の通達が……」 「解りました。 エア、私は暫し退席しますので お客様の事は貴方にお任せします」 「御意に」 一礼すると雪はそのまま席を立ち、 静かに扉の外に居る従者の元へと向かった。 「艦長……」 それまで静かに話を聞いていた 上条と小林であったが 此処に来てどうしても 我慢出来なくなったらしい。 声に怒気がかなり含まれていた。 |