| Data.5-9 |
|---|
翌朝。 古代は挨拶に向かおうと部屋を出た。 美雪の姿が何処にも見当たらず 一抹の不安が心を過ぎる。 『やはりあの娘には… まだまだ母親が必要なんだ…』 娘の心情を理解しようと 何処かで自分自身の思いを 無理矢理抑えつけているのだとしても。 これ以上愛娘を戦場に立たせたくないと云う 父親としての気持ちも見え隠れする。 『雪の両親も…ヤマトの乗艦には よく反対していたよな』 漸く知る、義理の両親の心情。 それは自分も【人の親】になったからだろう。 様々な思いが去来する。 纏まらず、漂いながら。 そんな中、古代は漸く美雪の姿を確認した。 彼女の隣には当然ながら雪が。 「雪…、美雪……」 「進さん…」 「お父さん……」 廊下に佇む親子三人。 言葉も無いまま、只 互いの顔を見つめる。 「雪」 最初に切り出したのは夫であり、 父親でもある古代だった。 「ヤマトは…恩人であるアクエスを 護る為に戦う事を決めた」 「…やはり、そうですか」 雪は静かに微笑むだけだ。 「貴方ならそう『選択する』と思っていました。 だって貴方は…【古代 進】なんですもの…」 「雪……」 「御武運を、祈ってます…」 「あぁ。美雪と待っていてくれ。 俺は必ず…戻って来るから」 雪と美雪は困惑した表情を浮かべ 互いに見つめ合っている。 「お父さん…私……」 「ん? 何だ、美雪?」 「進さん。美雪を、連れて行って下さい」 「雪…? 何を一体……」 「この子なら立派に成長しました。 それは、貴方も良く御存知でしょう?」 「あぁ…。いや、でも…しかし……」 「古代 進と古代 雪の間に生まれた子供が 任務を放棄するなど有り得ない事です」 毅然とした態度で、更に雪は続ける。 「美雪はまだ15歳です。 でも、もう15歳なんです。 この子はこの子なりに色々な事を体験し、 いろいろな人々と出会い、学んで来ました。 今は私の後継者として生活班長の任にも就いている。 だからこそ私は、このまま終わって欲しくないの…」 「お父さん…昨日は御免ね……。 私、あれからずっと悩んでた。 このまま逃げて良いのかな?って…」 「美雪……」 「レガシーの皆さんはまだ星を見付けてない。 私、あの人達が自分の星を見付けるお手伝いがしたいって その気持ちが有ったからこそ、生活班長になったの。 まだ第2のレガシーを見付けてもいないのに… 何も出来てないのに…ヤマトを降りて良いのかな?って…」 美雪は其処迄語ると、少し俯いてしまった。 |