Meeting of Fate・7

翌朝、俺達はグレッグミンスターへの帰路についた。
とにかく、誤解を解きたかった。
あの村の住民は謀反の意思等持ってはいない。
ただ、静かに暮らしていたいだけだ。

「俺、一寸故郷に寄ってから戻るわ」
「サブロー?」
「長年家を空けてしまってたし。
 久々に親父やお袋の顔も見たいし…な」
「そうなんだ。
 だったら、安心させてあげると良いよ」
「有難うな、ススム」
「サブローさんは、騎士を辞められるんですね」
「何だか馬鹿馬鹿しくてさ…。
 俺は弱い者虐めする為に騎士に成りたかった訳じゃない。
 それが解っただけでも、今回の一件には意味が有ったさ」
「……だな」

サブローの意見は一々尤もだった。
そして、アキラも又 素直に納得している。
こんな気持ちのまま、確かに騎士は続けられない。
元々がアカツキ帝国の人間で無いサブローは
帰省する事で、もっと自分に似合った道を見付けるだろう。

「縁が有ったら又会おうな、サブロー」
「あぁ。お前達も元気でな」

俺達はレナンカンプで別れた。
そしてこの別れが、後に大きな意味を成す事に
今の俺達はまるで気付いていなかった。

* * * * * *

我が故郷、グレッグミンスター。
其処はこんなにも色彩の無い、冷たい都市だっただろうか。
僅か数日空けただけで
まるで異邦人を見るかの様に、俺達を包む視線。
薄暗く、日が差さぬあの森の方が
今の俺には余程輝いて目に映る様だった。

「一旦、お屋敷に戻りましょう。
 マモル様もミユキ様も御心配されている筈」
「…そうだな。アルフォンも……」
「あぁ。俺も自分の家に戻るとしよう。
 報告なら、又その内に来るだろうから…」
「うん……」

足取りも重く、俺達は家路に向かう。
敗戦の兵に対する温度の無い視線から
一刻も早く、逃げ出したかった。

* * * * * *

屋敷にはミユキだけが残っていたらしい。
彼女はエントランスで俺とアキラの姿を見付けると
一目散に駆け寄って来た。

「ススムお兄様! アキラさん!!
 良かった、お二人共ご無事で!」
「ミユキ…」
「申し訳御座いません。
 御心配をお掛けしました、ミユキ様」
「いいえ、それは良いのよ。
 だって…お兄様達が討たれたとの一報が入って
 グレッグミンスター中で大変な騒ぎに…」
「そう云う事だったのか…」
「どうなさったの?」
「街の人々の冷ややかな視線が気になっていたんだが。
 死んだ筈の俺達が帰って来た事で
 皆、幽霊でも見る様な目で見てただけだったんだな」
「…ススムお兄様」

やはり、話がおかしい。
全てに於いて納得が出来ない。
俺の中で、帝国への信頼感が
激しく揺らぎ出していた。

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SITE UP・2011.06.15 ©森本 樹

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