「単刀直入にお聞きしたい。
この先、どうされるおつもりか」
サナダは表情を変える事無く、言葉を紡ぐ。
恐らくは読めているのであろう。
だからこそ、彼は【確信】を求めている。
「巨大な国。2大勢力がほぼ同時に狙っている。
逃げ切ろうにも限界があります。
しかし、反撃に転じたくても我々には余りにも力が足りない」
「…我々は、逃げはせんよ」
「……」
「戦う為の準備だ…。
これより我々は群島諸国へと向かう」
「群島諸国…」
サナダはその単語を聞くと不意に笑みを浮かべた。
流石にその意味を理解出来る程
ススムやダイスケに知識が有る訳ではない。
「しかし、群島諸国も万全の体制ではないでしょう。
頼りになるのはオベル王国のみで、
その王国もクールーク皇国との戦闘中と聞きます」
「オベルへ行けば、道は開けるよ。間違い無く」
「……」
「問題は、どうやってオベルへ向かうか…なのだがな」
サナダさんは小さく一度頷き、
周囲の面々を見渡した。
「短距離ルートを選択すれば、このまま南下、でしょう。
カナカン地方は帝国領内としても
帝都の干渉を快く思っていません」
「だが、それ迄に追い付かれたら…」
「全滅するでしょう」
村人が一斉にざわつく。
此処まで来て、全滅など…。
不安な思いが囁き声に変わる。
「マモルが出てくれば間違い無く南下は危険。
奴は重騎馬隊ですからね。
歩兵では歯が立ちません」
「サナダ殿には、別の策がお有りの様だが」
サナダはフッと笑みを漏らすと
静かに頷いてみせた。
「有るんですか、サナダさん?!」
「あぁ、確かに…有る。
無論、危険性が0%とは言えないが
少なくとも南下よりはアカツキ帝国の目を掻い潜り易い」
「して、そのルートとは?」
「ガミラス領に侵入し、グラスランドを経由します」
「ガミラス……」
サナダの提案に対し、オキタは眉を顰めた。
「確かに、帝国の目は掻い潜り易い…。
しかし、討ち滅ぼされたガミラスの領内では
ならず者も多いと聞きますな」
「確かに。普通のキャラバンでは危険度は増すでしょう」
「……」
「しかし、このキャラバンは特殊です。
少数のならず者相手なら先ず負けません。
統率の取れた軍隊を相手にする事を思えば」
サナダの考えに対し、オキタは一応の理解を示した。
だが…それでも懸念材料は有る。
そしてそれは恐らく、サナダも同様であろうと
オキタは1人思案していた。 |