Unbekannte Welt・3

翌日、陽が昇ると同時にキャラバンは出発した。
次の目的地はガミラスとグラスランドの国境。
グラスランドに抜ける迄、あと少しである。

「どうやら問題無くグラスランドに着きそうだな」
「…着ければ、な」
「え?」

ススムの呟きに対し即座に反応したのはサナダだった。
然も何処か含みを持たせて。

「グラスランドには着けないんですか?」
「目の前迄は迫れるだろう。
 だが、元ガミラス領の北部は
 ハルモニアの軍勢が待機していると聞く」
「モラビアの様に巧く抜けなければならないのか…」
「まぁ、行って見なければ判らないよ。
 モラビアの砦の様な関所を構えているのかどうか」
「ダイスケ…」
「話を聞く限り、元々はガミラスとグラスランドの境だろう?
 ガミラスが滅んだのは此処最近の話だと聞いたし、
 そんなに直ぐモラビアの様な要塞を作れるとは思えないんだが…」
「全ては行って見てからの話、か…」

一喜一憂するのは自分ばかりで周囲は寧ろ冷静沈着。
ススムは何となく、自分が恥ずかしくなってしまった様だ。

『追われる立場…か。以前は考えた事も無かったよな。
 こうしてキャラバンの一員になって、滅びた国の有様を見て…
 釈然としない物を感じ取って…。
 その先に何が有るのか、見極めないといけないんだろうな』

目指す物は果たして群島諸国に存在するのだろうか。
自分達は其処に辿り着く事が可能なのだろうか。
不安は尽きない。
それは、止むを得ない事であろう。

* * * * * *

カレリア。

グラスランドとガミラスの国境付近に存在する
ハルモニア神聖国の一都市。

「此処を抜ければ晴れてグラスランド…だけど
 何やら物騒な街だな……」
「そりゃそうさ。
 此処にはハルモニアに雇われた傭兵が
 わんさと集まってるんだから」
「?!」

いつの間に立っていたのだろうか。
金の髪を短く切り揃えた優男が
ススムの直ぐ後ろで微笑んでいる。
殺気は無いが、正体が掴めない。

「誰だよ、お前は?」
「名前はナッシュ。ナッシュ=クロービス」
「ナッシュ、ねぇ…」
「そう、宜しくな」
「そうじゃなくって!」
「余り大声を出さない方が良いぜ。
 ほら、周りが変な目でこっちを見てるだろ?」
「う……」
「で、君の名前は?」
「…ススム」
「へぇ〜、良い名前だね」

ナッシュはそう言うと、
人懐こい笑みを浮かべて軽くウィンクした。

「これからグラスランドに向かいたいんだけどさ。
 一つ、頼まれてくれないかな?」

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SITE UP・2013.01.17 ©森本 樹

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