Unbekannte Welt・8

白馬に跨る銀色の髪の騎士。
その立派な武装からも、名立たる将軍であると判った。

「何者?」

凛としたその声の高さから、
この騎士団を纏めている人物が女だと気付く。

「何故この様な事をする!!」
「お前は?」
「俺の名はススム! 質問に答えよ!」
「おのれ、クリス様に向かって無礼なっ!!」
「控えよ、ボルス」

白馬から下りると、クリスはそのままススムを見た。
そして一瞬だが顔を顰める。

「そなた…もしや……」
「質問に答えてもらおう、クリス殿!」
「この村が我等ゼクセン連邦に仇成す存在と
 評議会が決定したからである」
「たった…たったそれだけの事でかっ?!」
「我等ゼクセン騎士団にとって評議会の決定は絶対。
 決定に従い、行動を起こすが我等騎士の勤め」
「そんなのは間違っているっ!!」
「ススム……」
「評議会の決定が絶対だと?
 この世に絶対と言い切れるもの等有るのか?
 もし評議会が間違っていたら、どうするつもりだっ?!
 こんな事が騎士道と呼ばれるなら…
 俺はその騎士道を真っ向から否定するっ!!」
「…やはりそなた、コダーイ家の者か」
「だとしたら、何だ?」
「…我等に仇成す賊で有る事に変わりは無い。
 この場で成敗する」

クリスは自身の愛用する剣を抜き、
その行動にしたがって彼女の部下である
5人の騎士もおのおのの武器を構えた。

「…やってやろうじゃないの」
「まぁ、当然こうなるよね…」
「私もススム様と思いは同じです。
 この様な行い、許されてはならない」

サイトウ、アルフォン、アキラも
戦う決意を更に固めた様だ。

自然と自分の武器に有った陣形を取り
その時に構える。
手斧のサイトウが前列、
剣装備のススムとアルフォン、
三節棍装備のダイスケが中列、
弓矢攻撃のジロウとアキラが後列である。

「ヒューゴ! お前は村人で助かった人が居ないか探してくれ!
 此処は俺達に任せろ!!」
「解ったよ、ススム! 必ず勝ってくれよ!!」
「勿論だっ!!」

ススムの声を切っ掛けに、ゼクセン騎士団との真っ向勝負が開始された。
先手を打ったのはダイスケである。

「風よ…。我が声に答えよ」

彼の右手が激しく輝き始める。
風が集まる。

「【マハ=ガルーラ】っ!!」

彼が紋章魔法を行使したのはこれが初めてである。
風の全体魔法では2番目に強力な魔法だ。
勿論、騎士団側も無事では済まない。
特に【盾】となる前列はかなり体制を崩した。

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SITE UP・2013.03.29 ©森本 樹

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