| [11] 仲間達 |
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一度着替えに戻らなければならないだろう。 そう思った咲樹は自宅へ向かうが、 何故か北条が付いてきてしまった。 車で送ると言う行為に思わず甘えてしまった訳だが。 リヴパレス203号室。 其処が咲樹の城だった。 「?!」 案の定、部屋の中を見せて彼に驚かれてしまった。 予測は付いていたのだが 毎回毎回こうだといい加減自分でも嫌になる。 「泥棒に入られた…訳じゃないな、これ」 「…掃除、苦手なの」 「苦手…ねぇ」 苦手を超えている。 これでは「掃除を知らない」方がマシだ。 「あ、着替えるからその辺でくつろいでて」 咲樹の何気ない一言に北条が派手に動揺した。 「冗談じゃない! 俺は車で待機してるから 準備が出来たら降りて来てくれっ!!」 真っ赤になりながら階段を下りていく。 時々「あっ!」と言う悲鳴が聞こえる。 慌て過ぎて段を踏み外したのだろう。 「…そんなに慌てなくても良いのに。 可愛い所が有るんだな…」 見た目以上に純朴な彼に好感を抱きながら 咲樹は素早く支度に掛かった。 2人が到着した時、 刑事部屋は何事も無い様に 静かな時間を刻んでいた。 「おはよう御座います」 「お、2人で仲良く出勤か? お熱い事で」 「ち、違いますよ、リキさんっ!! 大体… ハトさん! ハトさんが咲樹さんに酒呑ますから…」 「咲樹…」 「さん?」 松田と鳩村は顔を見合わせ、大笑いした。 「聞いたか、ゲン?」 「聞いた聞いた」 「へぇ〜『咲樹』さんねぇ〜。 どういう風の吹き回し?」 源田や平尾も冷やかしに来る。 耳まで真っ赤にしながら北条は激昂している。 「いい加減にして下さいっ!! 何すか、寄って集って!」 「ムキになってるよ」 「困ったもんだ」 「お〜恐っ!」 「くわばらくわばら…」 散々冷やかされ、益々エスカレートしていくのを 谷が癖払いで止める。 「いい加減そのくらいで止めておけ」 「は〜い」 引く時は意外とアッサリしている。 長引かないのが軍団の良い所だ。 さて一服しようかと思いきや、 一本の電話が空気を張りつめさせる。 「はい、西部署…」 素早く電話に出たのは咲樹だった。 「…飛び降り自殺しようとしてるチンピラ、ですか。 判りました」 「やれやれ。チンピラ救出か…」 やや やる気無さそうに松田が首を竦める。 勿論それは見かけだけ。 正義感の強い漢達の事、 それでも見逃す事は出来ないのだから。 松田は大門の方を見るとウィンクを送った。 何かの合図である。 「じゃあ行きますか、姫。 ジョー、姫のエスコート頼むぞ」 「えっ??」 この段取りが何を意味するのか。 唯一人、大門だけは 松田のさりげない気配りに感謝していた。 |