| [42] 無差別狙撃 |
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それは突然起こった。 白昼に3名の人間が突然狙撃されたのだ。 ビルからライフルで狙ったらしい跡は残っていたが それ以外犯人に繋がる証拠は得られなかった。 然も撃たれた3人に関連は無く、 犯人の狙いは全く判らなかった。 「何を考えて…」 鳩村の唸りに二宮が癇癪を上げる。 「ともかく犯人を見つけないと 市民は安心して街も歩けないのだよ。 君、本気で探しているのかねっ?!」 「探してますよ。 でも物証も何も無い。 お手上げじゃないですか」 「鳩村君っ!!」 「まぁまぁ…」 平尾は何とか宥めに入る。 「血圧上がりますよ、係長。 落ち着いて、ね?」 「これが落ち着いていられますかっ!!」 大門はここ数日自分を付け狙う 姿無き脅迫者の事を思い出した。 『越川を釈放しろ』 脅迫者は越川を望んでいる。 だがチンピラとの抗争で 逮捕された越川の身柄は 西部署ではなく、 既に拘置所に移動された後だった。 満足な取調べも出来ず、 脅迫者の姿は以前判らないままだ。 本庁に西部署への護送を打診したが 梨の礫だった。 「一体どうなってるんですか、大門さん!」 今日もブン屋達が ドヤドヤと殴りこんでくる。 「取材は後で…」 「そんな事言ってる間に 又誰かが襲われるかも知れないんですよ?」 「捜査は進んでいるんですか?」 「答えて下さいよ、大門さんっ!!」 言葉を嵐を切り裂くように 大門は刑事部屋へと戻ってくる。 「団長…」 咲樹は居た堪れなかった。 捜査はちゃんと進めている。 だが犯人の足取りも 越川の身柄も 自分達の思うように動かない。 何もしていない訳ではないのに 此処まで責められるのが警察なのか。 「一体越川の何が…」 解らなかった。 犯人の狙いが。 越川を解放しない限り 恐らくは無差別攻撃が続くだろう。 それが判っていて どうして本庁は越川を釈放しないのだろう。 咲樹には解らなかった。 「…悔しい」 咲樹の呟きを 松田は聞き漏らさなかった。 「姫…行くぞ」 「リキさん」 「ホシに繋がる手がかりを探すんだ。 それしかない」 「そうですね…」 「団長、行って来ます」 松田は咲樹を連れ、 捜査へと戻っていった。 その後姿を見送りながら 大門は小さく溜息を吐いた。 「済まない…」 それは誰に向けられた言葉なのだろうか。 自宅に掛かってきた 脅迫テープを何度も聴きながら 大門は必死に記憶の糸を手繰り寄せていた。 犯人の姿を捕まえる為に。 |