| Perfect Crime・11 |
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完全に引き上げられた車に 国立達が急いで集まる。 痕跡を探る為に。 数時間後。 「これは…毛髪だ。 残っていたんだ…」 女性の髪だろうか。 長い毛髪を国立が発見する。 「指紋の採取、完了です」 「残ってたのか?」 「完全とは言えないかも知れませんが 残っていました」 「そうか…。これで ジョーのアリバイを証明出来る…」 鳩村は国立と顔を見合わせて微笑んだ。 「待ってろよ、ジョー」 揃った情報を見つめ、 大門は深く頷いた。 「これで東部署の件を 崩せるな」 「えぇ…。 しかし硝煙反応とハジキの指紋は…」 源田の質問に 大門は険しい顔をして答えた。 「罠だ」 「罠?」 「最初からホシはジョーを嵌めようとした。 ジョーの上着を脱がし、自分が着用して ガイシャを撃つ。 勿論手袋を着用しているだろう」 「そうか。その後気を失っているジョーに グリップを握らせれば…」 「姑息な真似しやがって!」 鳩村の怒りは尤もだった。 「団長! 加納 杏子のウラ取れました!」 そんな中、松田が刑事部屋に飛び込んでくる。 「ウラ?」 「えぇ。あのガイシャ、 東部署の多田野の女です」 「何だってっ?!」 「以前勤めていたキャバレーで 証言を取りました。 多田野に間違いないそうです」 「じゃあ一連の事件は多田野の…」 「多分、間違いないでしょう」 大門は静かに言った。 「皆、覚えているか? ジョーが監禁されていた 冷凍室の扉を」 「はい。外に鍵が掛かってて。 団長と俺でやっと開きましたよね…」 「多田野はその時、何て言った?」 「自作…自演…?」 「出来る訳が無い! あの扉は中からじゃ 開ける事も閉める事も出来ない仕組みだった!!」 「じゃあ団長はずっと多田野の事を…?」 大門は静かに頷く。 「くそ、多田野の野郎!!」 「奴は完全犯罪を目論んでたって訳か」 「だから西部署の介入が面白くなかった」 「テメェの手は汚さず、 ジョーに罪を擦り付けたんだ…」 「これで礼状が取れますな」 「えぇ…」 見えない壁が漸く壊れた。 その感触を 大門は確かに感じ取っていた。 一方。 「どうしたんすか、一兵さん?」 先程から妙に落ち着きの無い平尾に 北条は苦笑を浮かべている。 明子は丁度買い物中だ。 「いや…その…」 「?」 「トイレ、行っても良い?」 「我慢してたんすか?」 「ちょっとね…」 「行って来て下さいよ。 俺なら大丈夫ですから」 「そう? じゃあ直ぐに帰ってくるから! 直ぐだからな!!」 「はいはい」 笑顔で平尾を見送る北条。 まだ彼は気付いていなかった。 その気配に。 |