Perfect Crime・3

「闇雲に探しても始まらん。
 ジョーが居るらしい場所を絞ろう」
大門の声に全員が集まる。

「ジョーが今回の事件に
 何らかの関係が有るとしたら…」
「居るのはその周辺、ですよね?」

「現場、何処だった…ゲン?」
「京浜埠頭。間違いない」
「あの辺、倉庫が多かったな。
 冷凍の…」
鳩村の言葉に大門の脳裏には嫌な映像が流れた。

「冷凍室、か?」
「大さん…。拙いですな。
 ジョーが行方をくらまして2日…」
「拙いなんてモンじゃないっすよ、おやっさん…」
松田が珍しく冷や汗をかいている。
「下手すらジョーの奴…」

「京浜埠頭の倉庫、
 片っ端から調べるんだ!」
「はい!!」

頼もしき部下達は
足早に埠頭へと向かう。
大門もまた、源田の運転するサファリに乗り込んだ。

「ジョー…」

自分達は信じている。
お前の無実を。

大門は心の中でそう呟いていた。

* * * * * *

顔面は既に真っ白だった。
おぼろげな目で周囲を見渡す。
既に動く力も残っていなかった。

『寒い…。眠い……』

疲労はピークを超えていた。

『団長…。団長……』

声も出せない。
そんな力など、当に無い。

『俺…死ぬのかな…?』

ぼんやり、諦めの気持ちが滲む。

『死にたく…ない…』

震える体が、精一杯戦っている。
こんな所で終われない。

『助け…て……』

意識が遠退いていく。
もう、感覚さえも無い。

『だん…ちょ……』

その意識が完全に閉じかけた時だった。

「ジョー!!」
外から確かに自分を呼ぶ声が聞こえた。
幻聴ではない。
これは紛れもなく…。

「だん…ちょ……う……」
北条は懸命に体を動かし、
弱々しくだが扉を叩いた。

「此処…です…。
 団長……」

* * * * * *

カン…カン……

「?」
ドアを叩く音。
大門の耳に、微かだが届いた。

「此処か!」
大門は扉に近付いた。

外付けの鍵が掛かった扉。
この中に北条が居るのか…?

「リキ! リキ!!」
近くに居る松田を呼び、
二人掛かりで鍵を外す。
扉を思い切り開くと
冷気が全身を刺した。

「……」
目を凝らすと、倒れている一人の男。
それは…。

「ジョー!!」

急いで抱き上げると
その体温の低さにゾッとした。

「ジョー! ジョーッ!!」
何度も叫び、頬を打つ。
「眠るんじゃない! ジョーッ!!」
大門の呼び掛けに
北条は微かだが目を開いた。

「だん…ちょ……」
その呼び掛けに、彼は反応した。

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SITE UP・2006.1.31 ©森本 樹

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